メタバースとは?その意味や概念を解説!仮想空間でなにができるのか
最近さまざまなメディアで目にする「メタバース」。しかし、いまだメタバースに対して間違った知識を持っている方も少なくないのが現状です。そこで今回は、メタバースに関する誤解を解いていきます。
メタバースの誤解を解く
まずは、メタバースに関するによくある誤解を解いていきます。
メタバースは1企業が提供する特定のサービスではない
特に多いのが、メタバースは1企業が提供している特定のサービスである、という誤解です。メタバースをMeta社のサービスだと勘違いしている人も少なくないのではないでしょうか。メタバースは概念を表す言葉です。「メタバース」と検索すればメタバースのサイトへ行けるというわけではありません。
後ほどメタバースについて詳しく解説しますが、メタバースは特定の商品名、サービス名ではないことを覚えておきましょう。
メタバース=VRではない
メタバース=VRというイメージを持たれている方も多いのではないでしょうか。「メタバースはVRゴーグルを使ってみるもの」と考えている方もいると思います。しかし、メタバースを利用するのに必ずしもVRゴーグルが必要なわけではありません。
VRゴーグルはメタバースにアクセスするためのツールの一つに過ぎず、VRゴーグルがなくてもスマホやPCなどからアクセスできるサービスがほとんどです。
メタバースはゲームではない
メタバースと聞いてゲームを想像する人も多いのではないでしょうか。確かにメタバースを掲げているゲームは多いですが、メタバースがすべてゲームというわけではありません。メタバースの本質は他者とのコミュニケーションにあります。
ゲーム以外にも、アーティストのライブや企業の展示会といった用途で活用されています。
メタバースの正しい定義
メタバースとは仮想空間サービス全体を表す概念である
メタバースの誤解を解いたところで、メタバースとはどのようなものかを確認しましょう。
メタバースとはインターネット上に構築された、不特定多数の人が利用できる仮想空間そのものや、その空間を提供しているサービスのことを指す言葉です。つまり、サービスの内容ではなく概念を指す言葉が「メタバース」です。2007年公開のアニメ映画『サマーウォーズ』に登場した「OZ」や2021年公開の『竜とそばかすの姫』の仮想世界「U(ユー)」をイメージして頂ければ理解しやすいでしょう。
具体的なメタバースの例としては、以下のようなサービスが挙げられます。
- VRChat
VRChatは、仮想空間の中で世界中のユーザーと交流ができるソーシャルVRサービスです。ユーザーは「ワールド」と呼ばれるVR空間を作成できるほか、他の人が作成したワールドに行って他者と交流することも可能です。最近では、大手企業や地方自治体がVRChatを導入して独自のワールドを作成したり、VRChat上で特別なアイテムを販売したりなど、さまざまな業種・業界で利用が広がっています。
- Roblox
Robloxは、ゲームプラットフォームとして世界中で広く利用されているサービスです。最大の特徴は、Roblox上でプレイできるゲームはすべてユーザーが作成したものであるという点です。Robloxのユーザーは世界中にいるため、ゲームの種類も多岐にわたります。また、Roblox上で有名ブランドとのコラボレーションした限定アイテムの販売なども行われており、人気を集めています。
年々注目度が高まるメタバース市場
メタバースへの注目度は年々高まっています。三菱総合研究所の調査によれば、メタバースの日本国内市場は2025年には4兆円程度にまでのぼり、2030年には24兆円まで拡大する見込みとのことです。矢野経済研究所の調査でも、2022年の国内メタバース市場の規模が前年度比245.2%まで拡大する見込みであると公表されています。
これらの調査結果からも、メタバース市場は今後も拡大を続け、さらに盛り上がりを見せていくのではないかということが推測できます。
メタバースが注目を集める理由
では、なぜ今メタバースが注目を集めているのでしょうか。
「メタバースは最近出てきたものではなく、今までにも同じようなものはあった」「2007年頃に話題になり、いつの間にか聞かなくなった『セカンドライフ』を思い出す」という方もいるでしょう。近年、メタバースが注目を集め始めた理由は主に以下の2点が考えられます。
- 周辺技術が発達したから
- コロナ禍で家にいる時間が増加したから
それぞれの理由について詳しく解説します。
周辺技術が発達した
1つ目の理由として考えられるのが、周辺技術の発達です。
セカンドライフが普及しなかった理由はさまざまあると思われますが、その一つに周辺技術が追い付いていなかった点が挙げられます。当時の平均的なPCのスペックも回線スピードも、セカンドライフが世界中に普及できるレベルではありませんでした。しかし最近では、PCに限らずスマートフォンの平均スペックも向上し、多くの人がメタバースにアクセスできる時代になっています。
また、NFT技術が普及したことも大きく影響しています。NFTについては別で詳しく解説していますが、簡単に説明すると「デジタルデータの所有者を明確にできる」技術のことです。NFT技術が普及したことで、デジタル資産の価値を担保できるようになりました。そのおかげで、メタバース内でデジタル資産を販売する仕組みが作れるようになり、そこに多くの企業が新たなビジネスチャンスを見出しています。
コロナ禍で家にいる時間が増加した
2点目は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大です。コロナ禍では、多くの人が外出を自粛しなければならない状況に直面しました。直接人と会う機会が減った結果、コミュニケーションの代替手段のひとつとして注目が集まったのです。
また、メタバースは新たな販路としての可能性も秘めています。店舗で商品を販売している多くの企業が、消費者の外出機会が減ったことで売り上げの減少に苦しんでいます。そんな中、メタバース内で自社の製品を販売することで、新たな層にアプローチできると、さまざまな企業から注目されています。
まとめ
ここまで、メタバースに関する正しい知識を解説してきました。「メタバース」という言葉が単なる流行語として広まってしまった結果、言葉だけが独り歩きしているのが現状です。多くの人がメタバースの本質を知らず、誤解が広まる状況になっているといえるでしょう。
ビジネスでメタバースを活用したいと考えているなら、まずメタバースの特性を理解しておく必要があります。また、メタバースの関連技術は今も発展を続けているため、常にアンテナを張っておきましょう。
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