メタバースブームはもう終わった?メタバースの現状と今後について解説!
一時期さまざまなメディアで「メタバース」という言葉が取り上げられていましたが、最近では耳にする機会も少なくなりました。「メタバースのブームは終わった」という声も聞かれますが、実際はどうなのでしょうか。
メタバースのブームはもう終わった?
まず、メタバースのブームが終わったという声の根拠となるデータから見ていきましょう。
メタバースのブームが終わったという指摘
時価総額1兆円を超える旧Facebook社が社名をMetaに変更するなど、近年メタバースに対する関心や期待は世界的に急速に高まりを見せていました。実際、さまざまなメディアがメタバースについて取り上げ、多くの企業がメタバース業界に参入していきました。まさにメタバースブームといえる状況でしたが、今ではメタバースについて耳にする機会は少なくなったかと思います。
Googleトレンドで「メタバース」というキーワードの検索状況を調べると、2021年7月頃から徐々に検索数は増え、2022年1月から2月にかけてピークを迎えています。そこからは増減を繰り返し、ここ最近ではピーク時を100とすると、25くらいの検索数にとどまっています。また、メタバースを推進してきたMeta社の不振も報道されています。Meta社の株価は2021年10月29日に323.57ドル超を記録した後、1年後には99.20ドルまで下落。メタバース事業部門は、2022年7~9月期決算で、36億7200万ドルもの営業損失を計上しています。
こういった現状に対して、「メタバースブームはもう終わった」と指摘する声があがっているのです。
なぜメタバースの普及が進んでいないのか
先述の通り、一時は多くの注目を集めたものの、メタバースに対する世間の関心は失われつつあるといえるかもしれません。メタバースの普及が進まない理由としては、以下の2点が挙げられます。
メタバース関連の技術が発展途上にある
1点目は、メタバース関連の技術がまだ発展途上であるという点です。メタバースにアクセスする際に利用されるVRゴーグルは、現状のモデルはどれもサイズが大きく装着時の負担もかかるため、長時間の装着に適しているとは言えません。
参入のためのコストが高い
また、参入コストの高さも問題の一つです。メタバース関連のサービスを開発するためには、スペックの高いPCやVRデバイスなどが必要になるため、一般的なソフトウェア開発に比べてコストがかかってしまいます。これは利用者も同じで、最近はスマホなどからアクセスできるものもありますが、本格的なメタバース空間を最大限に楽しむためには、スペックの高いPCやVRデバイスが必要です。VRデバイスも決して安くはありません。2023年9月時点で、Meta社が販売しているVRデバイスQuest2の価格は5万円弱となっています。
こうした背景から、メタバースに対しての人々の関心も薄れていったものだと考えられています。
メタバースの今後はどうなる?
では、今後メタバースはどうなるのでしょうか。メタバース市場の今後やメタバースがもたらす新たな可能性について解説していきます。
拡大するメタバースの市場規模
まず、メタバースの市場規模から見ていきましょう。矢野経済研究所が公表しているメタバースの国内市場動向調査によれば、日本国内の市場規模は2022年度には1,377億円となっており、2027年度には2兆円超まで拡大していくと見られています。また、世界規模で見ても、同様に市場規模は拡大していくものと予測されています。総務省が公表している『令和4年版 情報通信に関する現状報告』では、メタバースの世界市場規模は2021年に388.5億ドルだったのが、2030年には6788億ドルにまで拡大するという予測データが掲載されています。
メタバースブームが終わったと指摘する人は少なくありませんが、これらのデータから、メタバース市場は今後も拡大を続けていくものと考えられています。
メタバースの今後の可能性
メタバースの今後の鍵を握るものとして、以下の3点が挙げられます。
新たなVR/AR/MRデバイス
メタバース市場発展の鍵を握る要素の一つとして挙げられるのが、メタバースにアクセスするためのデバイスの進化です。最近では、Apple社がMRデバイス「Apple Vision Pro」を発表したり、Meta社も「Quest3」を発表したりなど、デバイスの進化は着実に進んでいるものと見られています。軽量化が進み、長時間装着しても負担がかからないようになれば、用途も広がっていくでしょう。
また、今後は一般向けに限らず、エンタープライズ向けの教育などを目的としたデバイスも普及していくのではないかと期待されています。デバイスのさらなる普及が進めば、それに比例してメタバース開発もさらに進展していくでしょう。
ビジネスでの活用
これまでのメタバースは、一緒にゲームをプレイしたり、他者との会話を楽しんだりするためのツールとして使われてきましたが、今後はそれ以外の用途での活用も広まっていくものと考えられています。特に注目すべきなのが、ビジネスでの活用です。会議をメタバース空間で行うだけでなく、メタバース空間内に店舗を設け、店員もメタバース空間で接客したり、工場をメタバース空間に再現してシミュレーションを行うことで生産効率の向上を図ったりなど、ビジネスのさまざまな分野での活用が期待されています。
Meta社の今後の方針
メタバースの分野の不振が続くMeta社ですが、CEOのマーク・ザッカーバーグ氏は、自身のFacebookで、メタバース事業とAI事業を両輪にして今後も開発を続けていくと宣言しています。同氏によれば、AIを活用したメタバース開発も検討しているとのことで、AIを使うことでより効率的にメタバース開発が進められるのではないかと考えられています。
まとめ
メタバースブームは終わったかもしれませんが、メタバース市場は今後も拡大していくと予測されています。ただ、市場のさらなる拡大のためには、XRデバイスの普及やビジネス活用などが求められます。
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