【2023年10月】GMOメタバースNEWS(海外)
10月もメタバース関連のさまざまなニュースが報じられました。前向きなニュースもある一方、大手企業のレイオフなど、ネガティブなニュースも見られました。2023年10月の海外メタバース最新ニュースを紹介します。
グラスゴー大、「バーチャル博物館プロジェクト」を発表。イギリス政府は約10億円を投資
2023年10月12日、イギリスのグラスゴー大学は、バーチャル博物館を開発するプロジェクトの立ち上げを発表しました。本プロジェクトは没入型学習プラットフォームのリーディングカンパニーとして知られるEdifyやスコットランド歴史環境局、スコットランド国立博物館などと共同で行われるとのことです。イギリス政府はこのプロジェクトに対して約560万ポンド、日本円で約10億円(2023年11月10日時点)の投資を発表しています。グラスゴー大学はこのプロジェクトについて、「博物館で展示されているのは所蔵品の10%にも満たず、また地理的な制約や費用などの問題から、博物館に行けない人がいるといった問題を解消するための革新的な解決法である」としています。
また、英国科学技術革新省のジョージ・フリーマン大臣は、研究開発支援プログラムについて以下のように話しています。「この560万ポンドの投資は、グラスゴー大学が拡張現実研究の名声を確立するのを支援するものであり、同時に学習者と学芸員の機会を増やし、英国のイノベーションと文化を世界に広めるものです」。
イギリスの病院グループが外科手術の研修用にスマートグラス導入を発表
2023年10月11日、現場作業者向けハンズフリー型ウェアラブル端末メーカーのパイオニアとして知られるRealWearが、自社の業務用スマートグラス「RealWear Navigator 500」を基幹病院「North Tees and Hartlepool NHS Foundation Trust」で展開することを発表しました。かねてより指摘されていた慢性的な技能不足の対応策として導入が決められたとのことです。
これまでは学生に手術を見せる際、少数の学生しか手術室に入れないため効率が悪く、研修もスムーズに進められなかったといいます。そこで白羽の矢が立ったのが、RealWareのデバイス。このデバイスは軽量で医師の邪魔にもなりにくく、手術医の視点から整形外科手術の手順をリアルタイムに体験できるようになり、より安全で効率的な研修ができるようになるとのことです。また、ハンズフリーのヘッドセットがついているため、手術中の医師に学生が質問することも可能となっています。
RealWareを導入した同病院によれば、これによって学習の効率が大幅に向上し、多くの学生を受け入れられるようになったといいます。同病院は続けて、「この技術を更に発展させ、ウェアラブルデバイスを通じて外来診療から手術後の回復まで患者の完全な経過を観察することができることを期待している」と話しています。
Epic Games、従業員の約16%のレイオフを発表、収益構造の変化が原因か
Epic GamesのCEOで創業者のTim Sweeney氏は、従業員の約16%をレイオフすることを同社の公式ホームページで発表しました。また、今回の発表では、2022年に同社が買収した音楽配信サービス「Bandcamp」を法人向け音楽ライセンスを扱う「Songtradr」に売却し、未成年の子供が安心してゲームをプレイできるよう保護するためのプラットフォームを提供する「SuperAwesome」の広告部門を独立させる旨も伝えられました。なお、SuperAwesomeが提供している親の確認および同意管理サービス(KWS)はEpicの一部として残るとのことです。
今回のレイオフや事業の売却について、CEOのTim氏はFortniteの収益構造の変化によるものだと話しています。当初Fortniteはバトルロワイヤルゲームとして収益を上げていたものの、現在はクリエイターがコンテンツを作成し公開することによって収益を得るビジネスモデルとなっており、それによって同社の利益率が低下してしまったのだといいます。
今後は主要となる事業の核を壊すことなく、コスト削減に取り組んでいくとのことです。今回レイオフの対象になった3分の2は、主要開発チーム以外の部門であり、中核事業に大きな影響はないとしています。また、これからもメタバースのリーディングカンパニーとしてありつづけるために、多少のスケジュールの遅れが出たとしても受け入れるつもりだとの決意表明も見られました。なお、現在は財政が安定しており、今後レイオフをする予定はないとのことです。
中国バイドゥ、年次カンファレンス「Baidu World 2023」を開催、「ミニ・メタバース」の公開も
中国の検索エンジン大手として知られるバイドゥ(百度)は2023年10月17日、年次カンファレンス「Baidu World 2023」を開催しました。このカンファレンスの開催に合わせて同社は、メタバース空間「百度暁宇宙」を公開しています。「百度暁宇宙」は、メタバースの開発を手掛ける「灵境至维(Lingjing Zhiwei)」と共同で開発されたもので、バイドゥはこれを「ミニ・メタバース」と呼んでいます。
同メタバース空間では、バイドゥが2020年より開発している「度晓晓(Du Xiao Xiao)」との交流が楽しめるほか、ミュージックビデオなどが視聴できます。また、ワールド内は4つの区画に分かれており、利用者はクイズなどを楽しんだり、利用者同士で交流したりできるようになっているとのことです。
まとめ
バーチャル博物館の開発プロジェクトなど、明るい話題がある一方で、レイオフなどのネガティブなニュースも報じられました。メタバース事業が厳しい状況に直面するなか、今後の動向に注目が集まっています。
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