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メタバースを活用した国際交流「メタバース留学」とは

メタバースを活用した国際交流「メタバース留学」とは

近年注目を集めているメタバースの基盤の1つに人々の交流があります。特に、言語や国境を超えた国際交流、その延長として注目を集めているのがメタバース留学です。

本記事では、留学の新しい形、メタバース留学について解説します。

メタバースはさまざまな交流の場として使用されている

現時点でも、メタバースはさまざまな交流の場として活用されています。

ソーシャルVRの「VRChat」で開催されている「理系集会」は、さまざまな交流や講義が実施されている、理系分野に関心のある人たちが集まるメタバース空間です。

理系集会では、入場後すぐに「自分の該当分野」を選択し、自身の得意分野を背景にさまざまな分野の人々と交流し、新しい知見を得ています。

専門外の話に触れ、互いの知的好奇心を刺激し、また初対面の人と面識を得ることもあります。

メタバースは、こうした交流の場として非常に効果的に扱えます。

メタバース留学とは|オンライン留学の発展形

メタバースの特性の1つは、VRを活用し、仮想空間上で疑似体験ができることです。

この特性を活用し、疑似体験を活用して学習につなげるのがメタバース留学です。インターネットの発展に伴い、世界中の人々とタイムラグなしで直接交流できる機会は広がりました。

メタバース留学はその延長上にありつつ、仮想空間や疑似体験という特性を活用して、さまざまなシチュエーションで言語や異文化について学ぶというシステムです。

VRのもたらすリアリティと没入感が、まるで本当に海外に訪れて人々と会話しているような臨場感と共に、貴重な国際交流の環境を提供しているのです。

メタバース留学が注目される理由

メタバース留学が注目される背景には、円安や物価高で留学費用が高騰しているという問題があります。

新型コロナウイルス感染症拡大の影響と、こうした留学費用の高騰で海外留学のハードルが上がり、その代替手段としてメタバース留学が注目されているのです。

既に、インターネットのビデオ会議サービスであるZoomを利用したオンライン留学は拡大しており、渡航する従来型の留学の件数を上回りつつあるという話もあります。

オンライン留学が拡大する中で、最先端の技術によりVRで留学の疑似体験ができるメタバース留学が注目されるのは、ある意味必然だといえます。

メタバース留学の特徴

メタバース留学は、ITや技術の進展がもたらした「デジタルトランスフォーメーション」の1つの形であるといえます。

VRやインターネットの多様性が生み出すメタバース留学の特徴、メリットや今後の発展について解説します。

仮想空間での疑似生活体験

メタバースの特徴は、ユーザーが別世界に没入していると錯覚するほどのVR体験、UXにあります。

メタバース留学ではこの特性を活かし、空港での手続きやチェックイン、さらにホームステイ先での会話や身振り手振りを含めたコミュニケーションなど、さまざまなシチュエーションを再現しています。

ユーザーはこうした仮想空間に精密に構成された「海外での体験」を実際に味わい、そのリアルさに裏打ちされたさまざまな体験や知見を得られるのです。

遠距離にいる相手とも場所を問わずに交流が可能

VR空間では、現実の距離や国境の差がなくなります。

世界中、どこにいる人でもメタバース空間を通じて友達になり、カフェでお話をしたり、ゲームを楽しんだりできるのです。

海外現地の学生や地域の人々と、アバターを介した交流を楽しみながら、実際にその国にいるようなリアルな体験を通じ、その国の背景や、文化や考え方などを知ることができます。

外見や年齢、性別、国籍などに関係なく、さまざまな人との交流を可能にするのがメタバース留学です。

事前準備の時間を削減可能

現実の留学には、留学先への入学試験に始まり、留まる先の確保、パスポートの発行手続きから渡航便のチケットの購入まで、さまざまな事前準備が必要です。こうした準備には少なくない時間と費用がかかります。学生なら留学期間の休学手続きを取ったり、社会人ならば仕事を休む、あるいは辞職する必要さえあります。

メタバース留学はこうした手間と時間が大幅に削減できるという点が大きなメリットです。今までの生活を続けながら、隙間時間をメタバース留学の時間に充てられます。

メタバース留学の事例

メタバース内での交流は、個人単位のものから企業が主催するものまでさまざまですが、メタバース留学は、自治体が取り入れていることもあります。

ここでは、メタバース留学の事例について紹介します。

徳島県上板町立小学校の事例

大日本印刷株式会社と株式会社steAmは、徳島県上板町立高志小学校と、カンボジアのプノンペン日本人学校との間でメタバース空間を用いた国際交流実験を行いました。

実験では、DNPが構築し京都市が提供する「京都館PLUS X」を活用し、それぞれの児童が2日間交流をもっています。

子どもたちからは、「アバター同士の距離で声が聞こえたり聞こえなくなったりという臨場感が味わえた」「離れている都道府県や国の子どもたちと交流できて、その存在が身近に感じられた」「アバターを使うと、リアルな映像よりも話しやすいと思った」などの感想が得られました。

浦和学院高等学校の事例

株式会社CURIOUS WORLDは、埼玉県さいたま市の浦和学院高等学校で同社が提供するオンラインのVR英語学習の体験授業を実施しました。

体験授業は、国際類型グローバルコースの2年生がオーストラリアへ留学する事前学習として実施され、買い物やステイ先での会話、空港でのチェックなどさまざまな内容が含まれます。

ファストフード風の空間では、現地講師がスタッフを、生徒が客を演じながら対話をし、生徒が言葉とともにボディランゲージを活用しはじめるなど高い効果が得られました。

まとめ

メタバース留学は、メタバースが提供する国際交流の特性を活かした新しい学びの場になる可能性を秘めています。今後ITや機器の発展にともない仮想現実での疑似体験のリアリティが上がるほど、その効果は際立つでしょう。

メタバース空間は、個人としての交流だけでなく文化と文化、国と国とが互いを認め合っていく場となりつつあるのです。

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