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中国のメタバース事情について解説!政府の方針や中国企業のメタバース事業を紹介

中国のメタバース事情について解説!政府の方針や中国企業のメタバース事業を紹介

世界的に注目度が高まっているメタバース市場ですが、中国でもメタバースに対して関心が高まっていることをご存知でしょうか。今回の記事では、中国のメタバース事情について解説していきます。

中国のメタバース市場について

まず、中国の現在のメタバース市場について確認していきましょう。

中国のメタバースの市場規模

2022年に公表された『中国元宇宙(メタバース)発展報告』によれば、中国のメタバース産業全体の産業価値は400億元とのことで、5年後には2,000億元を超える見込みだと予測されています。

また、中国の統計情報の調査を行っている「前瞻产业研究院(Qianzhan research)」によれば、メタバースの市場規模は2021年時点で、中国メタバース市場全体で前年比20%増の6,500億元超えとのことで、2027年には2兆元を超える可能性があると報告されています。

メタバース関連の資金調達状況

続いて注目すべきは、メタバース関連の資金調達状況です。中国のテクノロジー評論会社「36krグローバル」の調査によれば、2021年の中国メタバース分野における投資件数は166件となっており、総資金調達額は192億9,100万元(約3,880億円)にものぼるとのことです。メタバースの中でも最も投資されている分野は、ハードウェアで、2021年1月から2022年5月の間で98.5億元(約1,982億円)となっています。

これらのデータからも、中国国内においてメタバースへの関心が高まり、積極的に投資が行われていることがわかるでしょう。

中国政府のメタバースに対する方針

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では、中国政府は、メタバースに対してどのような姿勢を取っているのでしょうか。

中国政府の方針について

現時点では、メタバースに対して中国中央委員会は規制方針を明確にしていません。ただ、先述の通り、中国国内でのメタバースへの関心はどんどん高まっていることから、中国政府としても大きくなりつつあるメタバース市場にストップを掛けるよりも、さらなる市場の活性化を図るのではないかと考えられています。というのも、2021年12月12日に発布された「第14次五ヵ年計画」の中で、デジタル経済の計画目標というものが掲げられており、この中で消費者生活レベル向上のためにデジタル技術のさらなる発展を促進する旨が記載されているためです。これに追従する形で地方政府もメタバースの活用を積極的に推進しています。

メタバース規制について

一方で、メタバースが違法取引のツールとして使われることを懸念する声もあります。2022年2月18日には、中国銀行保険監督管理委員会(CBIRC)が違法な資金調達のツールとしてメタバースが利用されるおそれがあるとする文書を公開しました。文書の中では、ブロックチェーンゲームや仮想不動産などを使って違法に資金を集めている企業が存在すると指摘しており、だまされないよう注意すべきだと呼びかけています。

メタバース産業連盟とは?

中国のメタバース市場について理解するうえでもう一つ知っておきたいのが、「メタバース産業連盟」です。これは、2022年6月17日に中国のICT分野で有名なシンクタンクである中国信息通信研究院が立ち上げると発表したもので、正式名称は「虚偽現実・元宇宙産業聯盟(XRMA)」といいます。この産業連盟には、華為技術(ファーウェイ)や百度集団(バイドゥ)、京東方科技集団(BOEテクノロジー・グループ)、商湯集団(センスタイム・グループ)やなど、70社近くが参加しています。同連盟では、仮想現実(VR)や音声・映像コンテンツ分野での経験と蓄積を生かして、メタバースの課題整理を行うとのことです。中国の大手企業が、メタバース産業のさらなる発展のためにメタバー産業連盟という形で連携したことで、今後さらにメタバース開発が加速してくものと思われます。

中国企業のメタバース事業

中国の有名企業もこぞってメタバース事業を展開し始めています。最後に、中国の有名企業がどのようなメタバース事業を展開しているのかを紹介していきます。

アリババ

アリババグループは、中国でECサイトを中心にさまざまな事業を展開しているテクノロジー企業です。2016年11月1日、アリババグループが運営している中国最大規模のオンラインモール「淘宝(タオバオ)」内で、VRでオンラインショッピングができる「BUY+」というサービスが正式に開始されました。ユーザーはバーチャル空間でショッピングや人との交流を楽しむことができます。中国国内の企業だけでなく、マツモトキヨシやMacy’s、COSTCOなどが出店しています。

バイドゥ

中国最大の検索エンジンを運営していることで知られている「百度(バイドゥ)」は、2021年12月27日に中国初のメタバースとして「希壌(シーラン)」をリリースしました。シーランのメタバース空間には、「クリエイターシティー」と呼ばれる都市が作られており、ユーザーは他のプレイヤーと交流したり、再現された中国の景観を楽しんだりすることができます。その他にも、中国のSF小説「三体」の世界を体験できるほか、少林寺を訪れて武術を学ぶことができるなど、中国ならではのメタバースとなっています。

まとめ

中国でもメタバースの市場規模は拡大しており、有名な企業も多く投資し始めています。中国政府も規制の姿勢は現状見せておらず、中国におけるメタバース市場は、今後も盛り上がっていくものと思われます。

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