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【2025年完全対応版】サードパーティクッキーとは?廃止の最新状況と代替策まとめ

【2025年完全対応版】サードパーティクッキーとは?廃止の最新状況と代替策まとめ

サードパーティクッキーの廃止は、マーケターにとって無視できない大きな転換点です。本記事では、そもそもサードパーティクッキーとは何か、主要ブラウザの対応状況、代替手段、そして企業が今後取るべき対応について、具体的かつ最新の情報に基づいて解説します。

サードパーティクッキーとは何か?

サードパーティクッキーとは、ユーザーが訪問したウェブサイト(ファーストパーティ)ではなく、異なる第三者ドメインによって発行されるクッキーです。主に次のような目的で使用されています。

  • 広告配信の最適化
  • ユーザーの行動追跡
  • リターゲティング広告
  • 広告効果の測定

たとえば、あるユーザーがA社のECサイトを閲覧した後、まったく別のB社のニュースサイトを見た際に、A社の広告が表示されるといったケースが、サードパーティクッキーの代表的な活用例です。

なぜ廃止が進んでいるのか?

背景にあるのは「個人情報保護」の強化です。以下の動きが影響しています。

  • 欧州GDPRカリフォルニア州CCPAといった法規制の強化
  • 利用者側の「自分の情報がどう扱われているのか知りたい」という意識の高まり
  • ブラウザ提供企業による自主的な対応

これらを受けて、主要ブラウザはサードパーティクッキーの制限・廃止へと方針を転換しています。

主要ブラウザの対応状況(2025年4月時点)

ブラウザ利用可否備考
Google Chrome一部利用可能以前は2025年中の完全廃止を計画していたが、廃止計画は撤回され、今後の対応は未定。代替技術(Privacy Sandbox)は引き続き開発中。
Microsoft Edge設定により利用可能デフォルトは「バランス」設定で一部トラッキングを制限
Safari利用不可2020年3月より完全ブロック。「ITP」導入済
Firefox利用不可デフォルトでトラッキングをブロック。「ETP」機能搭載

Google Chromeの現状と今後

Googleは当初2022年までの廃止を予定していましたが、広告業界の準備不足などを理由に延期。2024年には全ユーザーの1%に対し、テスト的にサードパーティクッキーのブロックを実施。現在は「プライバシーサンドボックス」と呼ばれる新技術群を開発・導入しながら、段階的に完全廃止へと進めています。

サードパーティクッキー廃止後の代替策3選

1. ファーストパーティデータの活用

ファーストパーティデータとは、ユーザーが自社サイト上で自発的に提供した情報(会員登録情報、閲覧履歴、購入履歴など)を指します。信頼性が高く、ユーザーとの関係強化にもつながる資産です。

活用例:

  • メールマーケティングのパーソナライズ
  • 購買履歴を元にしたレコメンド
  • Web接客ツールとの連携によるリアルタイム対応

2. コンテキストターゲティング

ユーザーの属性や過去の行動ではなく、「今見ているページの内容」に応じて広告を出す手法です。たとえば、旅行に関する記事ページに旅行関連商品の広告を出すなど、直感的なマッチングが可能です。

クッキーに依存せず、プライバシー保護の観点からも注目されています。

3. 新しいプライバシー保護型技術の導入

Googleの「プライバシーサンドボックス」

個人情報を共有せずに広告ターゲティングや測定を行うAPI群です。Topics API、Protected Audience APIなどがあります。

Microsoftの「Ad Selection API」

広告の選定と表示をブラウザ内で処理し、外部サーバーにデータを送らずにターゲティングを可能にする技術です。

企業が今すぐ取り組むべき対応

ファーストパーティデータの収集基盤を整える

Webサイトに会員登録やログイン機能を設けることで、ユーザーから自発的にデータを取得する環境を整えることが重要です。ポイント制度、限定コンテンツ、誕生日特典などを導入し、登録率を高める施策も有効です。Googleアナリティクス4(GA4)やCDPと連携し、行動データの可視化と分析体制も強化しましょう。

クッキー同意管理プラットフォーム(CMP)を導入する

ユーザーの同意取得は、法規制への対応と信頼性向上の両面で不可欠です。OneTrustやCookiebotといったCMPツールを活用することで、法域ごとに異なる同意フローやバナー表示を適切に設計できます。また、取得した同意内容の記録や更新履歴も自動で管理できる点が大きな利点です。

プライバシー対応技術への社内理解と開発体制を整える

Topics APIやFLEDGEなどの新仕様は、広告効果とプライバシーの両立を実現するための中核技術です。これらを活用するには、社内での情報共有とPoC(概念実証)を積極的に進める必要があります。マーケティング部門と開発部門が連携して、実装方針を早期に決定しましょう。

社内マーケティング教育を強化する

デジタル広告の変化は一部の担当者だけで対応できるものではありません。営業、カスタマーサポート、CS(カスタマーサクセス)部門などとも情報を共有し、ファーストパーティデータを軸にした全社的な顧客理解とアプローチ戦略を構築することが必要です。定期的な研修や勉強会の開催を推奨します。

サーバーサイドタグ管理を導入する

ブラウザ側の制限が厳しくなる中で、GTMサーバーサイドなどの導入により、より安定した計測環境を実現できます。自社サーバーでリクエストを中継することで、セキュリティやデータ保持においてもメリットがあります。導入にはコストや設計の見直しが必要ですが、長期的な視点で取り組む価値のある施策です。

まとめ

2025年4月現在、Google ChromeとMicrosoft Edgeでは一部のユーザーにおいてサードパーティクッキーが利用可能ですが、段階的な廃止に向けた動きは確実に進んでいます。SafariとFirefoxではすでに完全にブロックされており、従来のトラッキングに依存したマーケティング手法は限界を迎えつつあります。

今後は、ファーストパーティデータの活用、クッキーに依存しないターゲティング、そしてプライバシー保護と広告効果を両立させる新技術の導入が求められます。企業は早急にこれらの対応を進め、変化する環境に強いデジタル戦略を構築する必要があります。

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プロフィール
葉山和奏
経済学部。 オウンドメディア運用に向けSEO対策の情報やテクニックに関する記事を執筆。
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