マーケティング戦略

【デザイン心理学】3Bの法則とは?広告効果が劇的に変わる3つの要素

【デザイン心理学】3Bの法則とは?広告効果が劇的に変わる3つの要素

ボディクリームのCMに赤ちゃんが登場すると、その製品の安全性が保証されているというポジティブな印象を受けたことはありませんか?このように、「Baby(赤ちゃん)」「Beauty(美人)」「Beast(動物)」という3つの要素が人々の関心を集め、好印象を与える心理的効果を活用した心理的アプローチを「3Bの法則」と言います。今回は、3Bの法則の概要からマーケティングへの応用方法まで解説します。

3Bの法則の定義

「3Bの法則」とは、広告やコンテンツ制作において「Beauty(美人)」「Baby(赤ちゃん)」「Beast(動物)」という3つの要素が、人間の注意を引きやすいことに着目した心理的アプローチです。特に視覚的な第一印象が重要な現代のマーケティングでは、この法則が効果的に活用されています。視線を止めさせるだけでなく、感情にも働きかけるため、記憶や購買行動にも影響を与える強力なツールです。

3つのBと人間心理

美人(Beauty)

人は無意識に「美しさ」に注目しやすいという傾向があります。美人の画像や人物を起用することで、視線を引くだけでなく、商品やブランドのイメージまで高める効果があります。例えば、コスメ広告に美しいモデルを起用することで「この商品を使えば私もこうなれるかも」といった感情を喚起できます。

赤ちゃん(Baby)

赤ちゃんの顔には、人の保護欲や共感を刺激する心理効果があります。無垢で安心感のある印象が、商品への信頼感を高めることにもつながります。例えば、保湿クリームの広告に赤ちゃんの柔らかい肌の写真を使うことで、「肌に優しそう」というイメージが自然と伝わります。

動物(Beast)

動物は「かわいい」「癒される」といったポジティブな感情を引き出します。特にペットとして親しまれている犬や猫は、高い共感性と拡散力を持ちます。例えば、SNS広告で子犬が戯れる動画を活用すれば、ユーザーの心をつかみやすく、シェアも促進されます。

3Bの法則のマーケティングへの応用

広告

テレビCMや雑誌広告などで3Bの要素を取り入れることで、視聴者の注意を引き、記憶に残る広告が作れます。例えば、香水のCMに著名な美女と小型犬を登場させ、ラグジュアリーで親しみやすいブランドイメージを演出する手法は典型です。視覚的な魅力に加え、感情に訴える要素を組み込むことで、ブランドの世界観を直感的に伝えることができます。

アイキャッチ画像

Web記事やバナーにおいて、第一印象を左右するのがアイキャッチ画像です。ここに3Bの要素を組み込むことで、クリック率や滞在時間の向上が期待されます。例えば、コラム記事に赤ちゃんの笑顔の写真を使うと、読者の関心をひきつける効果があります。さらに、SNSでシェアされた際にも視覚的に目立つため、自然な流入経路の拡大につながります。

SNS

SNSは3Bの効果が特に表れやすい媒体です。フォロワーの感情を動かし、エンゲージメントを高めるためには、視覚的に好まれるコンテンツが鍵となります。例えば、美人インフルエンサーが犬と遊んでいる投稿は、「いいね」やシェアを集めやすく、拡散効果も狙えます。日常的にフィードを流し見するユーザーにとっても、3Bの要素は「手が止まる」きっかけになります。

3Bの法則の活用例

ブランドCM

大手食品メーカーが展開したブランドCMでは、赤ちゃんを登場させ、家族の温かい日常をストーリー仕立てで表現しました。例えば、赤ちゃんとその家族が一緒に食卓を囲むシーンは、「安心感」「信頼性」「親しみやすさ」といった感情を視聴者に想起させます。これにより、単なる商品の紹介にとどまらず、「このブランドは家族の健康や幸せを大切にしている」という価値観を自然に印象づけることができます。視覚的な魅力と共感を通じて、ブランドの世界観がより深く浸透し、長期的なブランド理解につながります。

YouTubeのサムネイル

YouTubeでは、視聴者は大量の動画の中から興味のあるものを選ぶため、視覚的にインパクトのあるサムネイルづくりが非常に重要です。例えば、美人インフルエンサーが登場する料理動画のサムネイルに、子猫が横でじゃれている様子を加えることで、「かわいらしさ」「癒し」「親しみやすさ」を同時に伝えることができます。また、こうしたサムネイルは「一瞬で内容を伝える力」も持ち合わせており、視聴者にとって動画の雰囲気を直感的に理解しやすくなります。特に、エンタメ系やライフスタイル系のコンテンツでは、3B要素を取り入れることで他の動画との差別化を図ることができます。

Instagramのアイコン

Instagramでは、プロフィールアイコンやストーリーズのハイライトカバーなど、視覚的に目を引く要素がユーザーの印象を左右します。数あるアカウントの中からフォローされるには、「信頼感」や「親しみやすさ」といった第一印象の演出が欠かせません。例えば、ベビー用品ブランドの公式アカウントが、笑顔の赤ちゃんの自然な写真をアイコンに設定することで、「このブランドなら信頼できそう」といったポジティブな印象をユーザーに与えることができます。また、動物関連のアカウントでは、ペットのアップ写真を使うことで、感情的なつながりを生み出しやすくなります。視覚から伝わるイメージが、ブランドの価値を伝えるツールとして機能するのです。

3Bの法則のポイント

要素の組み合わせ

3Bの要素は単体でも効果的ですが、複数を組み合わせることでより高い影響力を発揮します。「美人×動物」「赤ちゃん×動物」など、組み合わせによって感情の幅が広がり、ユーザーの記憶に残りやすくなります。例えば、以下のような組み合わせが考えられます。

  • 「美人×動物」:高級化粧品の広告で、美しい女性が猫を抱いているビジュアル。洗練された印象と親しみやすさを両立。
  • 「赤ちゃん×動物」:育児用品のCMで、赤ちゃんと子犬が遊ぶシーン。無垢さと愛らしさが共感を呼ぶ。
  • 「美人×赤ちゃん」:ベビー向けスキンケアの広告で、母親役の美しい女性が赤ちゃんをやさしく抱くカット。保護本能と信頼感を同時に喚起。

ストーリー性を持たせる構成

3Bの要素を単なる“目を引く装飾”としてではなく、ストーリーの中に組み込むことで、より深い共感と記憶への定着を狙えます。視覚だけでなく「心に残る体験」としてユーザーに届けることが重要です。例えば、以下のようなストーリー構成が考えられます。

  • 赤ちゃんが初めて立ち上がり、一生懸命に歩くシーン。その横で、母親と愛犬が見守っている——という感動的な動画広告。親子・家族・ペットへの愛情が共鳴し、自然とブランドへの好印象につながる。
  • 女性が猫と暮らす日常を描くストーリー仕立てのコスメCM。忙しい日々の中で、自分を癒し整える時間として商品が登場し、共感を呼ぶ。

3Bの法則の注意点

イメージ画像に頼りすぎない

3Bはあくまでユーザーの注意を引く入口にすぎません。見た目のインパクトだけでコンテンツの質が伴わなければ、逆効果になることもあります。例えば、可愛い犬の写真でSNS広告のクリック率は上がったものの、ランディングページに商品の詳細が乏しく、離脱率が高くなってしまったケースがあります。3Bの要素で引きつけた後には、商品の利点や信頼性、利用シーンをしっかり伝える構成が不可欠です。

ターゲット層を意識する

3Bの要素は、ブランドや商材の特性に合わせて選択することが必要です。例えば、高級外車の広告に、赤ちゃんや動物を登場させた結果、顧客層から「軽く見える」とマイナス評価を受けたケースがあります。一方、ファミリー向けのワンボックスカーなどでは、赤ちゃんや動物を起用する戦略が活かせた可能性が考えられます。このように、商品ごとに3Bの使い方を慎重に調整する必要があります。

3Bの法則のよくある質問(Q&A)

どのような場面で3Bの法則は効果的ですか?

新製品のリリースやブランドイメージの刷新、クロスメディアキャンペーンなど、短期間で強いインパクトや好感度を獲得したい場面で特に効果を発揮します。また、テレビCM・デジタル広告・SNSなどさまざまな媒体で活用されています。

3Bの法則は初頭効果と一緒に使えますか?

3Bの法則と初頭効果は、非常に相性が良いとされています。初頭効果とは、最初に提示された情報が強く記憶に残る心理効果のことです。動画の冒頭や広告のファーストカットなど、ユーザーが最初に目にするタイミングに3Bの要素(美人・動物・赤ちゃん)を組み込むことで、印象づけと感情的な引き込みを同時に実現できます。

3Bの法則はどんな業種でも使えますか?

3Bの法則は、基本的には感情や直感的な好感を引き出す必要がある業種では広く活用できます。例えば、美容・アパレル・飲食・ペット関連・育児用品など、親近感や信頼が購買に影響する業界では特に効果的です。ただし、BtoBの業種や高度に専門的な分野では、3Bの要素が文脈に合わない場合もあるため、ブランドトーンやターゲット層に合わせた慎重な運用が求められます。

まとめ

今回の記事では、3Bの法則の概要からマーケティングへの応用方法まで解説しました。3Bの法則は、視覚的なインパクトを高め、感情に直接訴えることでユーザーの関心と共感を引き出す強力なマーケティング手法です。「Beauty(美人)」「Baby(赤ちゃん)」「Beast(動物)」という3つの要素は、それぞれ異なる感情を刺激し、広告やコンテンツの効果を最大化します。ただし、使用の際には目的やターゲット層との整合性を見極める必要があります。以上の点を押さえた上で、3Bの法則を効果的に活用してみてください。

“人は合理的に行動する”と思い込んでいませんか?

  • 一言変えるだけで売上が2倍に?言い回しの魔法とは
  • 比較表に“あの商品”を入れるだけで売れ筋が変わる?
  • 3択にすると売れなくなる?価格表の落とし穴

プロが教える「人の行動原理」を、マーケティングに活かす方法を聞いてみませんか?もっと詳しく知りたい方は、こちらをご覧ください。

プロフィール
藤井翠
国際教養学部。 マーケティングに応用できる行動経済学や心理学の理論やフレームワークなどの解説記事を執筆。
CONTACT US

マーケティングに関することならお気軽にご相談ください

フォームからのお問い合わせ

助っ人マーケター byGMOへのお問い合わせはこちらのフォームよりご連絡ください。