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【マーケター向け】推し活市場の今がわかる!市場規模から消費行動まで解説!

【マーケター向け】推し活市場の今がわかる!市場規模から消費行動まで解説!

近年、「推し活」という言葉が一般化し、市場が急速に拡大しています。好きなアイドルやアニメキャラクター、スポーツ選手などを応援する活動は、単なる趣味を超え、ライフスタイルの一部として定着しました。従来のグッズ購入やイベント参加にとどまらず、デジタルコンテンツへの課金、応援広告の出稿など、推し活の形は多様化しています。本記事では、推し活市場の市場規模やその成長の背景、消費行動の特徴について詳しく解説します。

推し活市場とは?

「推し活市場」とは、アイドルやキャラクター、声優など自分の「推し」を応援する活動を中心に形成される市場を指します。推し活市場では、ファンが推しとのつながりを深めるために商品を購入したり、イベントに参加したりする活動が活発に行われており、10代~20代の若年層を中心に市場は急速に拡大しています。

データで見る推し活市場

推し活市場は年々拡大しており、推し活の対象も多岐にわたります。ここでは、推し活市場の現状について、データをもとに市場規模や人口の割合、ファンがどのようなコンテンツを対象に推し活をしているのかについて紹介します。

市場規模

引用:【推し活人口1400万人・市場規模3兆5千億円】大規模アンケートで分かった!拡がり続ける推し活市場

推し活人口

推し活をしている人口の割合と、性別、世代での違いについてです。

引用:【推し活人口1400万人・市場規模3兆5千億円】大規模アンケートで分かった!拡がり続ける推し活市場

回答者の約17%が「推し活をしている」と回答しました。全世代で推し活をしている割合は増えていますが、特に30代女性の割合が増加しています。推し活には、「推しを応援する」という側面だけでなく、「自分自身の幸福度を高める投資」という側面もあります。推しの存在が生活の活力になったり、何かに打ち込む理由になったりすることから、推し活を始める人が増加していると考えられます。

推し活の対象

推し活をしているファンは、どのようなジャンルの推しを対象としているのでしょうか。

引用:推し活に関する調査 2024年

「株式会社ネオマーケティング」が行った調査によると、「現在推している対象」について、「実在の人物」が最も多く、全世代で70%以上となりました。実在の人物を推す人の割合が多いことには、以下のような理由があると考えられます。

  • 共感と自己投影
    実在する人物を推すことで、ファンは推しのリアルな成長や努力を見守ることができ、「一緒に歩んでいる」感覚を持ちやすくなります。また、推しの生い立ちや価値観に共感し、「この人のようになりたい」、「自分と似ているから応援したい」といった自己投影が起こりやすい対象であると考えられます。
  • 双方向のコミュニケーションが可能
    実在する人物には、ライブ配信やイベントを通じてファンと直接交流する機会があります。交流の機会により、ファンは「自分の応援が届いている」という実感を得ることができます。ファンの応援に対して推し本人からのリアクションがあると、ファンのモチベーションも上がりやすく、さらに熱心に応援するようになります。

推し活市場の成長要因3つ

推し活の市場規模は3兆円にのぼると予想され、その規模は若年層を中心に拡大し続けています。SNSやオンラインコンテンツの普及など、推し活市場の成長要因について3つご紹介します。

SNS利用の活発化

スマートフォンの普及により、SNSはより手軽に利用できるようになりました。特に、XやInstagramなどのプラットフォームは、情報共有だけでなく、ファン同士が交流できる場を提供しています。SNSを活用することで、推しに関する情報を簡単にシェアでき、画像や動画を通じて他者に布教することも可能です。このように、自分の好きなことを広く発信できるようになったことが、推し活市場の成長を後押ししています。

コロナ禍によるライフスタイルの変化

コロナ禍により在宅時間が増えたことで、仕事や趣味の活動をオンラインで行うことが習慣化しました。イベントやグッズ販売、オンラインライブなど、推し活に関連する活動が自宅でもできるようになり、推し活の手法が多様化するとともに需要が急増したことが成長の要因としてあげられます。

オンラインコンテンツの普及 

動画や音楽の配信サービス、ライブストリーミングサービスの普及により、ファンは推しのコンテンツを時間や場所を問わず楽しめるようになりました。特に、YouTubeでのライブ配信やインスタライブは無料で参加できる場合が多く、ファンと推しを結びつける重要な接点となっており、推しを発見するきっかけ作りとしても機能しています。

推し活市場の消費行動の特徴5つ

推し活市場は、ファンの熱心な活動に支えられ、その消費行動は多岐にわたります。ここでは、推し活市場における消費行動の特徴について、具体的な事例を踏まえて詳しくご紹介します。

SNSでの情報拡散と交流

1つ目は、ファンの積極的なSNSの利用です。SNSは、推し活の主要な拠点となっており、ファン同士の情報交換や交流の場として機能しています。

推しグッズへの積極的な購買意欲

2つ目はグッズ購入で、推し活市場の消費行動の中でも重要な役割を果たしています。ファンはグッズを単なる商品としてではなく、推し活の思い出や記念として手元に残したいと考えるため、商品の値段以上に価値があります。特に、限定コラボ商品やライブ会場限定のグッズは、ファンにとって非常に貴重であり、その購入意欲を駆り立てます。

リアルイベントへの高い参加意欲

3つ目はリアルイベントへの参加です。ファンは、推しの存在をより身近に感じられるイベントにも積極的に足を運びます。コンサートやファンミーティング、舞台挨拶など、リアルイベントはファン同士が一体感を共有できる特別な機会です。例えば、映画やアニメの公開イベントでは、限定上映会やファンイベントが実施され、参加者は推しとの交流を楽しみます。このような体験はファンにとって大きな価値を生み、結果として購買行動へと繋がります。

デジタルコンテンツへの課金意欲

4つ目は、デジタルコンテンツの消費です。サブスクリプションサービスやオンラインイベントへの支出は年々増加しています。ゲームアプリへの課金意欲も高く、推しキャラクターがメインのイベントに何十万円も課金するなど、ファンはデジタル体験にも積極的です。

応援広告の出稿

5つ目は、応援広告の出稿で、推し活の新たな形として注目されています。ファンは、推しの魅力を広める活動に積極的です。特に、誕生日やデビュー記念日とのような特別な日に合わせて、駅や大型ビジョンに応援広告を出稿するケースが増加しています。こうした広告は、推しへの愛を形にするだけでなく、ファン自身の自己表現の場ともなり、コミュニティ内での一体感を高める役割も果たしています。

推し活市場におけるトレンド2つ

推し活市場で注目度が高まっている推し活のトレンドをご紹介します。

じゃら付けバッグ

「じゃら付けバッグ」とは、推しやキャラクターのチャームやアクセサリーが複数取り付けられているバッグのことです。2024年頃から女子高生を中心に注目を集め、MIU MIUがチャームを多用したバッグをコレクションに取り入れるなど、ハイブランドにも広がりを見せています。「じゃら付け」は以下のような理由から人気を集めていると考えられます。

  • 推しを身近に感じられる
    バッグに推しのキャラクターやグッズを取り付けることで、いつでも自分の推しを感じながら生活することができ、愛着がさらに深まります。
  • さりげなく「推し」をアピールできる
    おしゃれなチャームや可愛いキーホルダーを取り付けつつ、トレカや缶バッジなどで推し要素を追加することで、ファッションを楽しみながら推しの存在を表現することができます。

声援OK!応援上映

「応援上映」とは、鑑賞者の声出し、歓声、応援、歌唱等が許可されている上映のことです。うちわなどの応援グッズを持参することも可能で、サイリウムやペンライトなどの光り物も使用できます。応援上映は以下のような理由で人気を獲得しています。

  • 推し活との相性が良い
    「推しの名場面で名前を呼べる」、「決め台詞に歓声を上げられる」など、ファン同士の一体感を楽しめます。また、うちわやペンライトを自作したり、コスプレを楽しんだりすることで、映画鑑賞そのものがイベントのような特別な体験になります。推しへの愛を表現できる場として楽しめることも魅力です。
  • ライブ感が味わえる
    通常の映画鑑賞と違って、応援上映では歓声や掛け声を発することができるため、ライブや舞台を見ているような臨場感を味わうことができます。

『THE FIRST SLAM DUNK』の応援上映は、リアルなバスケットボールの試合を体感できるアニメーションと推し活文化が絶妙に融合し、話題となりました。チケット販売開始直後に即完売する劇場も出るなど、その人気ぶりが際立ちました。

まとめ

推し活市場は近年急速に成長しており、その拡大の背景にはライフスタイルの変化やファンの熱意が大きく影響しています。具体的な消費行動に関しては、従来のグッズ購入やイベントへの参加にとどまらず、デジタルコンテンツへの課金、応援広告の出稿など、多様な形態へと広がりを見せています。この市場では、コンテンツの提供者がファンのニーズを迅速に捉え、新しい体験価値を提供する一方で、ファンも自ら情報を発信し積極的に関与するなど、双方が常にアップデートし続けている点が特徴です。これからの推し活の発展にも目が離せません。

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プロフィール
kashiwabaramomo
社会学部 オタク文化や推し活消費、サブカルチャー経済圏の動向を考察。ファン心理やブランディング、コンテンツマーケティングなどついて実例を交えて執筆。
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