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【徹底解説】NPSとは?基本概念から計算方法、スコア向上のポイントまで解説!

【徹底解説】NPSとは?基本概念から計算方法、スコア向上のポイントまで解説!

現代のビジネスにおいて、顧客の声を正確に捉えることは、競争力を維持し、成長を続けるために不可欠です。そこで注目されるのが「NPS(Net Promoter Score)」です。

本記事では、NPSの基本概念から、具体的な計算方法、測定の手法、さらにはNPSを向上させるための実践的な方法までを詳しく解説します。

NPSの基本概念

NPS(Net Promoter Score)は、顧客がどれだけその企業や製品、サービスを他人に勧める意向があるかを測定する指標です。フレデリック・F・ライクヘルド氏が2003年に提唱したこの指標は、顧客ロイヤルティとビジネスの成長との関連性を強調したものです。NPSは、顧客が企業やブランドにどれだけ満足し、忠誠を持っているかを評価するために広く使用されています。

NPSの測定は、顧客に対して次の質問を投げかけることによって行われます。

「あなたは、この製品(またはサービス)を友人や同僚にどれほど勧めたいと思いますか?」

この質問に対する回答は0点から10点のスケールで評価されます。

NPSとCSの違い

NPSとCS(Customer Satisfaction:顧客満足度)は、どちらも顧客のフィードバックを測定するために使用されますが、その目的と視点には大きな違いがあります。

NPSの視点

  • 推奨意向の測定
    NPSは、顧客の推奨意向を測定し、そのブランドや製品を他人に勧める可能性を評価します。これは顧客がどれだけブランドにロイヤルティを持っているかを示します。
  • ロイヤルティと成長
    NPSは、顧客ロイヤルティとビジネスの成長との関係を示すために使用されます。高いNPSを持つ企業は、顧客基盤の信頼と支持を得ており、持続的な成長が期待されます。

CSの視点

  • 満足度の測定
    CSは、特定の製品やサービスに対する顧客満足度を評価します。これは顧客の即時的な満足感を示します。
  • サービスの評価
    CSは、製品やサービスの品質や使いやすさ、サポートなどの具体的な要素に対するフィードバックを集めるために使用されます。

比較

  • NPS
    ブランド全体に対する推奨意向とロイヤルティを測る指標であり、顧客が長期的にどれだけブランドを支持するかを理解するために使用されます。
  • CS
    顧客の現時点での満足度を測る指標であり、製品やサービスの特定の側面に対する顧客の感情や評価を理解するために使用されます。

例えば、NPSの質問は「この製品を他人に勧める意向がどれくらいありますか?」となるのに対し、CSの質問は「この製品の品質にどれだけ満足していますか?」や「サポートの対応にどれだけ満足していますか?」のように具体的な要素に焦点を当てます。

NPSの重要性

顧客ロイヤルティの測定

NPSは、顧客ロイヤルティを測定するための強力なツールです。顧客ロイヤルティとは、顧客が企業やブランドに対して持つ信頼と支持の度合いを指します。NPSを活用することで、各顧客セグメントがどれだけロイヤルティを持っているかを明確に把握し、企業は以下のような具体的なメリットを享受できます。

  • 推奨意向の評価
    NPSは、顧客が他人に企業や製品を勧める意向を直接測定するため、顧客のロイヤルティを客観的に評価することができます。
  • 顧客の声の反映
    NPSのスコアに基づくフィードバックを収集することで、顧客が何を求めているのか、どこに不満があるのかを理解しやすくなります。これにより、顧客体験向上のための具体的なアクションを取ることができます。
  • ロイヤルティ向上施策の策定
    高いNPSを持つ顧客(プロモーター)を特定し、彼らのニーズに合わせた施策を実施することで、顧客ロイヤルティをさらに高めることができます。また、低いNPSの顧客(デトラクター)に対しては、改善点を迅速に対応することで、不満を解消し、ロイヤルティを向上させることが可能です。  

競争優位性の確保

NPSは、競争優位性を確保するためにも重要な指標です。競争が激化する市場において、顧客ロイヤルティの高さは企業の独自の強みとなり、以下のような競争優位性を生み出します。

  • 差別化の要素
    高いNPSを持つ企業は、顧客からの強い支持を得ており、他社との差別化を図ることができます。顧客がその企業や製品を他人に勧めることができるほど信頼を持つことは、ブランドの強力なアドバンテージとなります。
  • 顧客基盤の安定化
    顧客ロイヤルティが高い企業は、顧客基盤が安定しやすくなります。顧客が競合他社に流出するリスクが低く、安定した収益を確保するための基盤が築かれます。
  • ポジティブな口コミ効果
    高いNPSを持つ顧客が企業やブランドを他人に勧めることで、ポジティブな口コミ効果が生まれます。これにより、新規顧客の獲得が容易になり、広告宣伝費の抑制やマーケティング効果の向上が期待できます。
  • 継続的な成長
    顧客ロイヤルティを持つ顧客はリピート購入やアップセルの可能性が高く、長期的な関係を築くことができます。これにより、企業の継続的な成長が促進されます。

NPSを活用することで、企業は顧客ロイヤルティを高め、競争優位性を確保し、市場での存在感を維持することができます。これにより、持続可能なビジネス成長を実現することが可能となります。

NPSの測定・計算方法

アンケートの設計

NPSを測定するためには、まず適切なアンケートの設計が必要です。NPSアンケートはシンプルかつ効果的であることが求められます。主要な質問は以下の通りです。

「あなたは、この製品(またはサービス)を友人や同僚にどれほど勧めたいと思いますか?」

この質問に対する回答は、0点から10点のスケールで評価されます。アンケートには、追加で顧客のフィードバックを求める自由記述欄を設けることも有効です。これにより、具体的な改善点や強みを把握することができます。

回答データの収集と分析

アンケートを配信し、顧客からの回答データを収集します。データの収集方法は、メール、ウェブサイト、電話などの異なるチャネルを利用することができます。収集したデータは次のプロセスを経て分析されます。

  1. 回答をスコアごとに分類
  2. 各スコアの割合を計算
  3. 必要に応じて自由記述のフィードバックをテーマごとに分類

これにより、顧客の満足度や推奨意向を総合的に理解することができます。

サンプルサイズと信頼性の確保

NPSの測定においては、サンプルサイズとデータの信頼性が重要です。十分な数の顧客からの回答を集めることで、データの代表性を担保します。一般的には、顧客ベースの大きさに応じて数百から数千の回答が必要です。サンプルサイズが小さすぎると、データの信頼性が低下し、結果が誤差を含む可能性があります。

NPSの計算式

NPSの計算は、収集したデータをもとに次の手順で行われます。

プロモーター、パッシブ、デトラクターに分類

  • プロモーター(Promoters):9点から10点
  • パッシブ(Passives):7点から8点
  • デトラクター(Detractors):0点から6点

プロモーターの割合からデトラクターの割合を引いたスコアがNPSとなります

例:回答者が100人のアンケートを実施した場合

分類回答数全体割合
プロモーター5050%
パッシブ2020%
デトラクター3030%

NPS=50-30=20

この場合は20がNPSスコアとなります

推奨者が増えるほど数値が高くなり、批判者が減るほど数値が改善します。

スコアの分類と解釈

NPSの計算後、得られたスコアを以下の3つのカテゴリに分類し、解釈します。

プロモーター(Promoters)

スコアが9点から10点の顧客

  • 特徴:非常に満足しており、企業や製品を他人に積極的に勧める。
  • 影響:高いロイヤルティを持ち、リピート購入やポジティブな口コミを生み出す。

パッシブ(Passives)

スコアが7点から8点の顧客

  • 特徴:満足しているが、強い推奨意向はない。
  • 影響:競合他社に移る可能性があり、ロイヤルティが低め。

デトラクター(Detractors)

スコアが0点から6点の顧客

  • 特徴:不満を持っており、他人に企業や製品を勧めることはほとんどない。
  • 影響:ネガティブな口コミを広げる可能性があり、企業の評判や成長に悪影響を及ぼす。

NPSのスコアは、-100から+100の範囲で数値化され、企業の顧客ロイヤルティの状態を示します。高いNPS(50から100)は顧客の満足度とロイヤルティが非常に高いことを示し、中間のNPS(0から49)は安定した満足度を示します。低いNPS(-100から-1)は顧客の不満が多く、改善が急務であることを示します。

NPSを向上させる方法

サービス品質の向上

サービス品質の向上は、NPSを向上させるための重要な要素です。顧客が満足するサービスを提供することで、高い推奨意向を持つ顧客(プロモーター)を増やすことができます。

  • 定期的な品質評価
    サービスや製品の品質を定期的に評価し、顧客の期待に応える品質を維持または向上させます。
  • 従業員トレーニング
    サービス提供者やカスタマーサポート担当者に対して、継続的なトレーニングを行い、顧客対応スキルや製品知識の向上を図ることで、サービス品質を向上させます。
  • フィードバックの反映
    顧客からのフィードバックを定期的に収集し、サービス改善のために活用します。

顧客サポートの強化

顧客サポートの強化は、顧客満足度を向上させるために欠かせません。優れたサポートを受けた顧客は、高いロイヤルティを持ちやすく、NPSの向上につながります。

  • 24時間対応サポート
    24時間対応のチャットサポートやコールセンターを導入し、顧客がいつでもサポートを受けられる体制を整えます。
  • FAQと自己解決ツールの充実
    よくある質問を網羅したFAQページや、自己解決できるサポートツールを提供します。
  • 個別サポート
    顧客の履歴や状況に応じたカスタマイズドサポートを提供します。個別のニーズに対応することで、顧客満足度とロイヤルティを向上させます。

まとめ

NPS(Net Promoter Score)は、顧客ロイヤルティを測定するための強力なツールであり、多くの企業がその価値を認識しています。この記事では、NPSの基本概念から具体的な計算方法、測定の手法、そしてNPSを向上させるための実践的な方法までを詳しく解説しました。

継続的な評価と改善を心がけ、NPSを定期的に測定し、顧客の声をサービス改善に反映させることが、NPS向上の鍵となります。企業全体でNPSの重要性を理解し、積極的に活用することで、顧客との強固な関係を築き、ビジネスの成功を持続的にサポートしてください。

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松原舜
経済学部。 SNS運用やネット広告のHOWTOやテクニックについて発信。
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