昨今、従来のTVCMだけでなく、YouTubeをはじめとする動画プラットフォームでもSNS上でも、日頃から数多くの動画広告を目にするようになっており、マーケティングコミュニケーションにおける動画活用はさらに増加しています。その中で企業側は、動画を効率的かつ効果的に制作することが求められています。
ベネッセコーポレーションは、CMやWEB動画の制作プロセスにGMOプレイアド株式会社(以下GMOプレイアド)の「PlayAds(プレイアズ)」を導入し、ユーザーの反応を取り込むようにしました。急増する動画制作において、いかにユーザーに寄り添い、レスポンスを高めていくのかについて、ベネッセコーポレーションの橋本英知氏、GMOプレイアドの冨岡信之氏に聞いてみました。
■ 増加する動画広告の活用と、活用する上での課題
冨岡:
マーケティングコミュニケーションにおいて、動画活用がこれから増えていくと考えられますが、
ベネッセ様において、動画活用にてどのような課題感をお持ちでしょうか?
橋本様:
動画活用は様々行っていますが、プロモーションによる活用がやはり多いです。従来TVCMをやっていたのですが、そこからYouTubeなど活用は増え続けています。
活用上の課題は3つあります。
1つ目は、視聴者が自分のペースで見られないこと。これは動画の特性上、非常に大きい課題です。
静止画やテキストは自分のペースで見ることができます、動画はそれが出来ないので観るストレスが高い。
その分、視聴者に観ていただく工夫や品質へのこだわりが必要になります。
2つ目は、制作のナレッジが蓄積できていないこと。静止画やテキストと比べて、制作する本数・回数がまだ少なく経験値が足りていないです。
3つ目は、コストが高いこと。制作する費用と時間のコスト。それに加え、メディア費用もまだ高い。
多くのコストをかける中、より確実に事前検証をすることが重要であるが、事前検証自体も難しいというのが動画の活用の現状課題だと思っています。
■ 動画活用における課題を解決する「PlayAds」
冨岡:
ベネッセ様はいつの時代もマーケティングにおいては、仮説検証を繰り返される企業文化を強くお持ちだと考えています。生活者の可処分時間が動画に寄ってきている中、動画活用においてどのように仮説検証を回されているのでしょうか?
株式会社ベネッセホールディングス 執行役員 橋本氏
橋本様:
私自身が、こどもちゃれんじの教材制作を担当していたころに、動画制作の仮説検証として優れていると思い参考にしていたものは、『セサミストリート』の制作プロセスです。
『セサミストリート』は、教育格差をなくすためにはじまった、幼児向けのテレビ教育番組です。教育とエンタメの専門家たちが一緒になって作った作品です。その『セサミストリート』の制作プロセスが非常に面白いんです。それは、子どもの前に2つのテレビを置きます。右側に仮編集した『セサミストリート』、左側に『ディズニー』などの子どもが大好きなコンテンツを流す。その状況で、子どもに『セサミストリート』を観てもらいながら、『ディズニー』に目を向ける瞬間を確認していきます。何秒のどの時点で、子どもの注視が『セサミストリート』から逸れるのかをコンテに記録し、後から全スタッフが集まり、子どもの注視がなぜ逸れたのかを、さまざまな立場から議論して、仮編を改善していく。PlayAdsであれば、この『セサミストリート』と同じようなことを簡単にできるのではと思い、使い始めました。
冨岡:
ご活用頂き、ありがとうございます。
具体的に、どのようにベネッセ様にてPlayAdsを活用しているのかご教示いただけますか?
橋本様:
私たちは企業文化的にナレッジの蓄積を重視しており、TVCMにおいてもメディア放映テストをしていました。どのくらいの放映量で、どれくらいレスポンスがあがるか、対費用効果の検証などです。それに加えて、PlayAdsを活用し、素材の事前検証を取り入れました。
まずは、私たちが伝えたい訴求点が、動画で表現されているか。一番大事な訴求点が、視聴者にしっかり評価されているのか。
例えば、タレントだけが印象に残っていて、肝心要の「伝えたい」ことが「伝わってない」はNG。そこをPlayAdsで検証しています。上手く表現できていない場合は、スタッフが集まり、どのように改善していくべきかを考えています。また、インパクトを出すために、チャレンジングな表現を試したくなるので、それがネガティブな評価になっていないかも事前確認しています。
次に、競合サービスの動画との比較検証です。競合サービスの動画もPlayAdsで検証させていただき(笑)、その評価を自分たちの計画上の参考にしています。
さらに、PlayAdsでの素材評価スコアと、放映後にどれくらいの成果がでたのかを紐づけて管理しています。すでに40本以上の検証をしているので、素材評価スコアと成果の相関も見えてきています。つまり、新しい素材を創るとき、PlayAdsで素材評価スコアがどこまでいけば、放映後に成果が出るのかがある程度は読めます。例えば2素材制作するときに、どちらの素材をどのくらい放映すべきかなど、いままでは経験値で判断していた部分を、視聴者評価で判断できるのは大きな強みです。
■ 視聴者の評価を素早く、共通言語化することで効率化する動画マーケティング
ところで、冨岡さんに確認ですが、PlayAdsは現場からも手軽に使えると意見をもらっているのですが、検証結果まで具体的にどのようなスピード感でできるのでしょうか?
GMOプレイアド株式会社 代表取締役社長 冨岡氏
冨岡:
PlayAdsはWEBアプリケーションになっており、WEB上で動画をアップロードして「調査開始ボタン」を押していただければ、最短で翌営業日には結果を確認することができます。
橋本様:
早いですね。あと、実際の調査画面を見せてもらって、自分で回答してみたことがあるのですが、直感的に評価できるので調査精度もいいんじゃないのかなと思っています。
あと、このような事前の素材検証は、クリエイターだと抵抗感がある方が多いかもしれませんが、「調査で決める」というよりも、視聴者の評価を共通言語にして、みんなでいいモノづくりをするってとこに本質があると思っています。動画制作において、経験値や感性は重要です。それらを発揮するためにも、お客様(視聴者)を真ん中にして、それぞれの立場の意見をぶつけていく。そんなモノづくりができるようになり、ナレッジをデータで蓄積できるのがPlayAdsのよさかなと思っています。
画像)PlayAds調査画面
冨岡:
これから多くの企業様が動画をより積極的活用していくと思います。
そういった企業様へアドバイスがあれば、お願いします。
橋本様:
動画は、制作もメディアもまだコストが高いです。クリエイターに任せっきりでもダメだし、品質を軽視してパターンをつくりABテストするのも効率が悪いです。そうなると、動画活用で成果を出していくためには、PlayAdsのような素材検証ツールを使うのは必要不可欠だと思っています。そして、自分たちのナレッジを積みあげていくことが、結果として、クリエイターなどさまざまな専門家の方の力を引き出し、いいモノづくりにつながるんじゃないかなと思っています。
冨岡:
本日は貴重なお時間を頂きありがとうございます!
PlayAdsを活用して、より多くの企業様のマーケティングを成功させていきたいと思います。
引き続きよろしくお願いします。
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