LINEのID連携って何故必要なの? いまさら聞けないLINE ID連携の基礎知識
「LINEのID連携が必要です。」
「ID連携をすればこんなコミュニケーションが実現可能です。」
LINE公式アカウントを提案する場でよく耳にする言葉です。しかしながら何故、ID連携が必要なのでしょうか?逆の表現をするなら、何故、ID連携をしないと深いユーザーコミュニケーションが実現できないのでしょうか?
今回、「いまさら聞けないLINE ID連携の基礎知識」と銘打って、何故ID連携が必要なのかというデータ的観点のお話と、実現するために必要な事前確認情報を中心に解説していきたいと思います。
目次
・LINEの友だちと会員データは同一人物と見なされない!?
・同一人物と判別できると何がいいのか?
・LINE ID連携を実装する前に確認すべきポイント
■ LINE公式アカウントの友だちと既に保有している会員データは同一人物と見なされない!?
前提:あなたは以下の行動を取ったとします。
①「企業A」の公式アカウントとあなたが友だちになりました。
② サービスを利用するため、あなたはその「企業A」のサイト上で会員登録も行いました。
LINE公式アカウントに登録してくれた友だち(あなた)のLINEアカウントと企業Aで既に保有している(あなたの)会員情報の会員IDなどを紐づける事がLINE ID連携、と言います。
概念はなんとなくイメージできるのですが、なぜLINEアカウントと会員情報を連携させる必要があるのでしょうか?
お話はあなたがLINEを始めるタイミングまでにさかのぼります。実際にどうやってLINEを使えるようになったか思い出してみましょう。
ほとんどの方が携帯番号入力してLINEを利用できる(※注1)ようになるわけですが、そのタイミングであなたにはLINEからユニークなIDが振られています。これはスマートフォンなどの端末からは見ることのできない、システムの裏側に存在する固有のIDです。これを「LINE user ID(LINEユーザーID)」といいます。
次に、会員登録する際に入力する情報とはどのようなものでしょうか?一般的に、お名前、生年月日、性別、住所、連絡先などの情報を入力するケースが多いと思います。
では、あなたの公式アカウントの友だちとして保有しているデータ(LINE user ID)と、会員登録した個人情報のデータ(氏名・生年月日・性別・住所など)はシステムの中で同一人物としてみてくれるでしょうか?
残念ながらこれらの情報は関連性がなく、システム上で同一人物として判別する事は出来ません。
ID連携とは、あなたが企業Aの公式アカウントに友だちになったというデータ(LINE user ID)と企業Aで会員登録したあなたのデータ(会員IDなど)を紐づける事で、データ上でも同一人物として判別できるようになる事を言います。
■ 同一人物として判別できるようになると何がいいのか?
これが冒頭に記載していた「深いユーザーコミュニケーション」に繋がるお話になります。
企業AのLINE公式アカウントと友だちになった(あなた)と企業Aで保有している会員情報が結びついて同一人物としてみなされるとどのようなメリットがあるのでしょうか?
会員情報はあなたと同様、LINEの情報と会員登録情報が紐づいたユーザーデータがたくさん蓄積されています。会員登録の際に取得しているデータだけでも性別やお住まいの地域、生年月日を取得していれば年齢や誕生日月、職業など、様々な情報で登録した会員データをグループ分けすることが出来ます。
例えば
男性で30歳から40歳までのグループ
一都三県に住んでいる7月生まれの女性のグループ
20歳以上の会社員とパートのグループ
など
これらのグループ単位でLINEのメッセージ配信を届けることが出来るようになります。(※注2)
さらに、購入履歴や購入金額、サービスの利用頻度など、その会員独自の行動履歴などもデータとして取得していれば、さらに深みのあるグループを会員情報から作ることが出来ます。
例えば
1万円以上の商品を3回以上購入した人たちのグループ
会員登録はしたけれども何も購入していない人達のグループ
サービス利用をしてから半年後のグループ
など
会員情報を企業側でどのように取得や蓄積しているかにもよりますが、ID連携をすることで、ユーザーの特性にあわせてグループ化し、その対象に最適なメッセージを配信する事が可能になります。
LINE ID連携を実装する前に確認すべきポイント
ではID連携をスムーズに実装するためにはどのような点を注意して進めるべきでしょうか?大きく2つポイントがあります。
①会員情報を蓄積しているデータベースに新たにLINE user IDの項目を追加し、データを取得・蓄積する事が出来るか?
そもそも既存の会員情報のデータベースは基幹システムと連動している事が多く、改修自体のハードルが高い企業様が多いです。また、様々なシステムと連携しているため、影響範囲が多岐に渡ることも想定されるため、項目追加やデータ取得・蓄積する追加開発なども慎重に進める必要があります。
この辺りのお話は、システムを扱っている部門の担当者に直接現状をお伺いし、改修の可否や実施可能な場合はどのようにデータの受け渡しを行っていくのかなど、システム的な観点でお話を進める必要があります。
②会員情報を蓄積しているデータベースには触らず、LINE user IDの項目と会員情報を紐づける方法の模索
こちらはMessaging APIツールなどを利用する必要があるのですが、ログインページでID/パスワードを入力するフォームをお持ちの企業様であれば会員情報を蓄積しているデータベースを改修せずともID連携を実現できる可能があります。
友だち追加後に、TRUE Connectにユーザー固有のLINE user IDを蓄積するのですが、それと同時に個別のトークン情報(※注3)を発行して同時に蓄積していきます。
企業様側で保有しているID/パスワードをユーザーに入力していただくフォームがあると思いますが、フォームでログイン成功した後にTRUE Connectで発行したトークン情報を紐づける処理と、その情報をTRUE Connect側に返す処理を行えるようにすれば実現は可能です。
■ こんな企業様にオススメ!
GMO NIKKO株式会社では、LINE ID連携の導入支援を無料でサポートさせていただく体制を用意しております。企業様側の状況やシステムの構築状況なども踏まえて、細かく事前ヒアリングなどを実施し、導入をサポートして参ります。
LINE公式アカウントを保有していて、会員情報とのID連携を実現し、より深いユーザーコミュニケーションを実現したいなど、LINE ID連携に少しでも興味をお持ちになった企業様は、是非お問い合わせ下さい。
(※注1)2020年4月まではFacebookアカウントの情報を使ってLINEを利用する事が出来ましたが、現在は利用できなくなっています。
(※注2)2021年11月現在、ID連携をしていなくてもLINE公式アカウント管理画面上でみなし属性を活用したセグメント配信は可能です。
(※注3)セキュリティの観点から、LINE user IDではなくトークン情報(token)というTRUE Connect固有のID連携用のキーを発行して通信に利用しています。
- ライター:梶田 健人(かじた けんと)
- 2017年入社。アフィリエイト広告・運用型広告を用いた広告主の課題解決に携わる。
その後「LINE」の専門チームに属し、LINE広告/LINE公式アカウントをフルファネルで活用したプランニングに従事。