ios16アップデートはデジタルマーケッターにとって追い風となるのか?
9月8日にAppleの新製品発表会が行われました。
iPhone14の発表などAppleファンにとっては心躍る1日でしたが、マーケターにとっては新しい規制の始まりの時でもありました。
なぜなら、すでにWWDC2022で発表されている通り、iOS16のリリースも間もなく行われるからです。
そこで今回は、iOS16のアップデートと同時期にリリースすると想定されているApple独自のトラッキング「SKAdNetwork」のアップデートを紹介します。
スマートフォンを活用したプロモーションを実施する際にとても重要な情報となりますので、ぜひご覧ください。
SKAdNetworkのアップデートについて
iOS16の発表と同時に発表されたSKAdNetwork4.0。
その主なアップデート内容をまとめると以下の通りです。
- SKAdNetwork attributions for WEB
- Hierarchical source identifiers
- Hierarchical conversion values
- Multiple conversion
今回のアップデート、ざっくり言うとApple社が定めるプライバシー閾値(一定のインストール数)を満たすことで、計測できる指標が増え、より詳細な分析やマーケティング活用が可能になります。
さっそくですが、各アップデートについてポイントを紹介します。
SKAdNetwork attributions for WEB
AppStoreの商品ページへの誘導にあたりWEB媒体でのアトリビューション計測が可能になるものです。詳細な情報は公開されていないためアップデート後に各WEB媒体での動きが注目されます。
Hierarchical source identifiers
一定のプライバシー保護されたインストール数を満たすことで、従来キャンペーンIDと呼ばれていた2桁の数値が4桁まで情報が送られます。
例えば、これまで判別できなかった広告クリエイティブなど目的に応じた情報が付与されるようになります。
Hierarchical conversion values
これまではインストールが少ない場合、コンバージョン値が返ってこなかったものが、インストール数に応じて、送られてくるコンバージョン値を変動することで幅広い広告主様に情報が還元されます。コンバージョンが閾値を満たさない場合は粒度が粗い値が返り、満たした場合は粒度の細かい値が返るようになります。
Multiple conversion
異なるコンバージョン値に対して、アトリビューション期間(それぞれ0~2日、3~7日、8~35日)を設定することができます。最大3つのコンバージョン値をポストバックすることができるため、ROASなどの評価がSKAD上でも可能になると期待できます。
参照情報:https://developer.apple.com/videos/play/wwdc2022/10038/
まとめ
これまでApple社はプライバシー保護の観点から基本的には情報を規制する方向でOSのアップデートは進められてきましたが、ここにきて新たな方向性が示されたと考えています。マーケターにとって不可欠なユーザの購入行動などの情報がプライバシーを保護したうえで取得できるようになることで、分析の幅が大きく広がることが期待できます。
一方、どの機能についてもApple社が定めたインストール閾値を満たすことが条件となっており、その値がまだ現段階では明示されていないため、続報を注視する必要があります。
GMO NIKKOでは、専門チームを組みSKAdNetworkをはじめとするアプリ領域の情報収集・研究・分析を進めております。引き続きiOS16に関する最新の情報を随時発信していきますのでご期待ください。
- ライター:鈴木啓大(すずきよしひろ)
- 総合広告代理店、メディア事業社を経て
2020年 GMO NIKKO入社。
現在は、WEB広告の運用やコンサルティング業務に従事。
ご飯は土鍋で炊くこだわり派。