国内No.1のオンオフ統合分析ツール「ADVA MAGELLAN」を提供するサイカ社と総合インターネット広告代理店が共に描く未来とは
今回、各々の専門領域を掛け合わせ、広告主様の事業成果の最大化に貢献すべく、
デジタル広告全般に強みを持つGMO NIKKOと、統合分析とプランニングおよびTVCMのクリエイティブ制作、バイイング等を提供する株式会社サイカ(以下、サイカ)の業務提携が実現しました。
サイカの代表取締役CEO平尾氏をお迎えし、弊社代表取締役社長佐久間と業務提携の背景から、未来構想を語っていただきました。
(右):サイカ代表取締役CEO平尾 喜昭氏
(左):GMO NIKKO 代表取締役社長 佐久間 勇氏
■ 課題は「プランニング」と「エグゼキューション」の分断による検証の難しさ
平尾:まず広くマーケティング全体では、部分最適がここ5年くらいで言われている課題だと認識しています。
各マーケティング支援会社の専門領域におけるROIの追求は徹底できるようになりました。ただ、生活者の立場からすると、スマホ、テレビ、交通広告、デジタル広告などあらゆるシーンで多面的に広告接触がある中で、それぞれでROIを追求している状況は、マーケティング全体で見て最適な予算配分になっていると言えるのか。個別最適によってROIの最大化を阻害されているのでは、と課題感を持っています。
佐久間:そうですね。我々は普段デジタルの領域でROIの最大化を追求していますが、実際はオンオフ問わずあらゆるチャネルでカスタマーとの接点があるわけですし、お客様のご予算全体で見た時に最適な配分になっているか、というところは見えにくい状況です。
ただ、それを見るにはテレビ広告を始めとしたオフライン広告の効果の可視化など、乗り越えなければいけない壁は多いと感じています。
平尾:効果の可視化以外にもテレビCMには大きな課題を感じています。
その課題とは、分析結果を元にしたテレビCM出稿が難しいという点です。我々はADVA MAGELLAN(アドバマゼラン)というツールを通じて、オフラインとオンラインの垣根を取り払った全体最適のための分析に5年近く取り組んで参りました。その結果、精度高く最適な予算配分を導き出すことができるようになったのですが、その分析結果をテレビCMの出稿に反映させることが難しい。テレビCMに関しては代理店を通じての出稿ということもあり予算の融通が利きにくく、分析結果を活用しきれないのです。
また、テレビCMの効果がどうであれ、一定のマージンを支払わなければいけないというのも、課題だと考えています。
佐久間:その課題に正面から向き合ったのがまさしくサイカですね。
平尾:はい。オンライン広告では当たり前となっている予算配分の最適化と、効果を元にした運用をオフラインで実現するため、昨年ADVAというソリューションブランドを立ち上げ、テレビCMの出稿までソリューションの領域を拡大しました。
そして、今回オンラインマーケティングが得意なGMO NIKKOと協業させていただくことで、本当の意味でのお客様のROI最大化実現を目指したいと考えています。
■ オンライン個別最適化と、あるべきマーケティングの姿とのギャップ
佐久間:GMO NIKKOはデジタルマーケティングに特化し、お客様のROI最大化を実現できるよう取り組んできました。
しかし、オンライン上で把握できる接点以上のカスタマージャーニーには踏み込めておらず、あくまでオンライン上での最大化に向き合っていた状況です。
それでは本当の意味でのお客様の課題解決、マーケティングゴールの実現にはたどり着いていないと認識しています。
ターゲットとする生活者・カスタマーとの最適なコミュニケーションをデザインするには、デジタルの外側も見る必要があります。どんなにデジタル広告費が大きくなっても、オフラインでの生活者の接点がなくなることはないですし、オフライン、オンライン一貫したマーケティング戦略を描けないといけないと考えています。
そして、この課題感こそが今回の業務提携をさせていただくきっかけとなりました。
コミュニケーションデザインにおいて、カスタマージャーニーを全てデータとして可視化・分析でき、それに基づいたマーケティング戦略策定や予算設計をできるということがサイカとのお取り組みの中で惹かれている部分です。
お客様のROIを最大化する真のソリューションを提供できることは、今後の代理店、つまりマーケティングパートナーとなる必須条件だと考えています。
平尾:お客様に寄り添いオンラインによるマーケティングを突き詰めた結果、オフラインという手段に辿り着き、向き合うというのは、オンライン代理店の正しい進化であると感じます。そして今回の協業を通じてテレビというケイパビリティがGMO NIKKOに加わったことで、お客様ファーストの「真の広告代理店」の姿に向かっているのだと思います。
佐久間:ありがとうございます。カスタマーのニーズとメディア接触がオンライン・オフライン関係なく多角化している中で、オンなのか、オフなのか、という議論は本質的ではないと考えております。
サイカのケイパビリティを取り入れることで、よりスピード感をもってお客様のROI最大化を実現、さらにその先にお客様の経営課題をマーケティングで支援することを目指します。
平尾:ただ「広告枠を売ろう」ということではなく「お客様の成果をあげよう」という起点だからこそ生まれたコラボレーションですね。
佐久間:はい。本当の意味でお客様の成果を最大化するにはテレビCMにしろ、ウェブ広告にしろ、これまで積み上げてきた慣習やルールを一度壊して、必要な材料を集めて設計していくことが必要ですね。お客様のゴールは1つで、お財布も1つですから。
平尾:そもそもお客様の財布を取り合うという今の構造自体が不思議な話ですよね。
佐久間:「こちらに予算をかけた方がいい」と機能の異なる代理店がそれぞれ言っていたとして、それは同じ尺度での判断ではないですからね。共通のものさしをもって判断することが大切だと思います。
平尾:おっしゃる通り尺度が統一されていないというのはとても重大なファクターですね。
一方でCPAの話をしていて、もう一方ではリーチの話をしていたり。
今回の2社の取り組みを通じて全てをROIベースで判断していきたいですし、そうすることで初めて正しいPDCAを回せるようになると思います。
佐久間:これまでは自分たちの任されている範囲のゴールしかわからず、お客様にマーケティングの意思決定をする判断材料を完全にはお渡しできていない状況でしたが、サイカのサービスを活用することで、尺度を揃え、判断ができるようになり、お客様のマーケティングゴールが実現できると確信しています。
平尾:個別の領域ごとに最適化を図るのに比べて、テレビCMを含めた全体の領域で最適化を図ることができれば、領域ごとの改善効果が掛け算になるので全体としてのROIが全然違ってきます。
なので、まずは施策全体で一気通貫できる指標を持っていきたいです。
■ 協業の先にある、未来の話
平尾:今後は、さまざまな専門領域のプレイヤーとタッグを組み、コミュニティ・プラットフォームを形成していきたいと考えています。
マーケティングって本来オンオフ問わず総力戦でお客様の課題と向き合うものですが、現状は総力戦のコアとなる各領域のプロが散らばっている状態です。なので、ADVAという共通指標を掲げて、各領域に強みを持った会社さんとチームを組むことで、統合的な施策を実行したいお客様に対して、新しい選択肢を提供していきたいです。
また、メディア全体の価値を押し上げたいと考えています。
オンラインに限ってみてもテレビ的なものもあれば、認知系、刈り取り系もありと、得意分野はさまざまです。しかし実際に評価されるのは刈り取りのメディアだけ、という状態だと、それ以外のメディアが弱っていってしまう。しかし、それぞれがカスタマーに与える効果を正当に評価し、収益が出る構造にすれば、お客様の成果を上げつつ、メディア全体も元気にすることができますよね。
佐久間:そうですね。メディアの収益源として広告は非常に大きいですが、クッキー規制の影響によって、これから各メディアの本質的な価値が問われることになります。質の高いコンテンツがこれからのメディアとなり、そこにユーザがついてくる。
そしてそのメディアに掲載される広告の価値を正しく評価できる状態にしたいですね。
平尾:クッキーデータが個人情報の規制の中で使えなくなった時、我々のもつツールによって事業成果をベースにデータを繋ぐことが主流になっていくと考えています。
そうなったとき、これまで直接的な成果が見えづらかったメディアでも、実は最終的に成果に繋がっていたと評価される環境を作っていきたいです。
各メディアが本来の価値を追求できるようになり、さらに適切な評価がされ、収益を得られるという正しい状況を取り戻せる。そういう点では、クッキー規制はピンチではなく、むしろチャンスだと捉えています。
佐久間:コンテンツホルダーやメディアが本質的なビジネスに集中できるようになりますね。
また、弊社は広告ビジネスをやっていますが、実際はSEOや様々なSNS上でのオーガニックなコミュニケーションも含め、その全てがカスタマーとの接点です。
そこも統合分析していけるようにすることで、広告に限らず接点全体を我々でプロデュースしていきたいと考えています。
平尾:おっしゃる通り、広告問わず、カスタマーのすべての体験をダッシュボードとして見えるようにし、本当の意味での体験と成果の関係性を可視化することで、どのような内容の体験をどのような配分でエンドユーザーに提供していくべきなのか、全部の施策を一元管理していきたいですね。
佐久間:カスタマーエクスペリエンスマネジメント(CXM)において、通常は商品・サービスの購入・利用後にCRMを取り組んでいますが、購入に辿り着くまでの接点でブランド・サービスとの良い体験をすることが大切だと思っていますし、それをデザインするのが私たちの役目だと思っています。
そして、次世代の広告代理店・・、マーケティングパートナーとなるために、お客様の事業、事業環境を知り、お客様が勝てるマーケティング戦略をともに描き、共通の指標を持ち伴走していきたい。そこに尽きます。
平尾:広告出稿を代理する会社ではなく、マーケティングのROIを最大化するパートナーですね。
お客様のROIを最大化したいという共通のスタンスがあるからこそ、テレビCMの広告代理事業も展開しているサイカと、ウェブ広告代理店のGMO NIKKOが垣根を超えて手を結べたのだと、改めて思いました。
佐久間:お客様が成功していないのに、我々が収益を得るという状況はおかしいわけで、
お客様の事業の成長があってこそ我々も成長できるのだと考えています。
■ 最後に、読者の皆様へ
平尾:これまで各専門領域においてマーケティング支援に従事する会社を、マーケティング全体の最適化を実現するためのパートナーとして見ることはなかったと思いますが、むしろ全体最適を実現するからこそ、各専門領域に強みを持つ会社で構成されたチームである我々にお供させていただければと思います。
佐久間:今回の取り組みは簡単なことではないですし、すぐに成果が出るものではないかもしれませんが、私たちは未来のお客様の大勝利を実現するために全力でサポートさせていただきますので、是非小さいところからでもご相談ください。
本日はありがとうございました!
- ライター:TRUE MARKETING編集部