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「結果」を出すトップYouTuber ヒカル に聞く5つのコト

2021.12.28Premium Contents
「結果」を出すトップYouTuber ヒカル に聞く5つのコト

2021年11月、「経済の次なる成長」をテーマに沖縄・ANAインターコンチネンタル万座ビーチリゾートでBrand Summit 2021が開催されました。その中でGMO NIKKOが担当したセッションでは「「結果」を出すトップYouTuber ヒカル に聞く5つのコト」と題してトップYouTuber ヒカルさんをお招きしました。
様々な企業とのタイアップで売上ギネス更新、完売連続、そして株価ストップ高など圧倒的な結果を出すトップYouTuberヒカル。
彼がYouTubeを通じて出し続ける様々な「結果」を紐解きながら、トップYouTuberという稀有な存在のヒカルが考えるこれからのデジタルコミュニケーションのあり方に迫りました。

【登壇者】
ヒカル(Hikaru) YouTuber
入江 巨之     株式会社サムライパートナーズ 代表取締役
五十嵐 慧     GMO NIKKO株式会社 広告事業本部エグゼクティブマネージャー
稲葉 裕一郎    GMOユナイトエックス株式会社 代表取締役

【ブランドサミット】ヒカルさんYouTube

YouTuber ヒカルさん(以下、ヒカル):なんか(会場の雰囲気が)凄いですね、いいですねこの空気感。

稲葉 裕一郎(以下、稲葉):そうですね!では最初に自己紹介をしていただいてもよろしいですか?

ヒカル :YouTubeっていう世界でビジネスを絡めながらインフルエンサー活動をしていて、特徴は結構何でも言っちゃうっていう、あまり言ってはよくないこととかも言っちゃうとか、すぐ炎上しがちっていうのが僕の特徴ですが、その分、ありのままでしゃべれるからこそ僕にしか伝えられないことがあったりするのかなって思っているので強みでもあり、弱みでもあるのかなっていう、そういうインフルエンサーです。

稲葉 :ありがとうございます。よろしくお願い致します。入江さんの自己紹介を簡単にしていただいてよろしいですか?

入江 巨之(以下、入江):サムライパートナーズの入江と申します。よろしくお願い致します。ヒカルさんのサポートだけではなく、いろんなYouTuberさんをサポートしています。(ヒカルさんとは)メインは私が一緒についていろんなビジネスをYouTubeに絡めながらやっている立場としてやらせていただいて、GMOさんとも一緒にやらせていただいているという感じです。よろしくお願いします。

稲葉 :今日はこういう機会が作られたのは、サムライパートナーズさんとGMO NIKKOが1年くらい前になりますかね?業務提携をさせていただいて、やはり我々としてもYouTuberの皆さんを通じて、より多くの方々に情報を届けていく、ブランドを届けていくことに力を入れていきたいと考えています。私はGMO UniteXの稲葉と申します。

五十嵐 慧(以下、五十嵐) :はい、GMO NIKKOの五十嵐と申します。よろしくお願いします。

稲葉 :ではそうしましたら、(ヒカルさんに)まず早速、1つ目の質問です。ここにいらっしゃる色々な企業の皆さんからすると、実際に商品やサービスを購入されるお客様がいらっしゃるわけなんですが、同じようにYouTubeという世界において、ヒカルさんっていう方がいらっしゃって、動画を配信して見ていただく視聴者の方々がいらっしゃると思うんですけど。

ヒカル :はい。

稲葉 :ヒカルさんにとってYouTubeの視聴していただいている皆さんはどういう存在なのかを教えてください。

ヒカル :僕にとってYouTubeの視聴者は【世の中】なんですよね。僕、本当テレビを見なくて外にも出ないので世の中のことがわからないしニュースも見ないし政治もわかんないし、だからYouTubeに寄せられるコメントが僕にとっての世の声です。だからそこにしか僕は学ぶところがないっていう状態です。

ネットで生きていない人からすれば『なに言っているんだ』と思うかもしれないですけど、そのネットにはネットの世界があって、間違いなく大きなお金も動いていて、たくさんの人がいて、だから僕にとっては世の中の声が聞ける場所であり世の中すべてという感じですね。

稲葉 :動画を発信されて、すごくたくさんのコメントをヒカルさんの場合はいただいてきたと思うんですけども

ヒカル :はい。

稲葉 :それを1件1件、ご自身でも確認して読んで、どういう人たちがコメントしているのかな、なんてことを考えて見ていらっしゃるんですか?

ヒカル :全部は目を通せないんですけど、やっぱり見ますね。動画をアップしてからの1時間ぐらいはやっぱりコメントをずっと張り付いて見て、コメントを見れば視聴者の人がどこでどんな感情を抱いて、どこで心動かされたんだっていうのがすぐわかるので。
僕は自分の動画以外のコメントもよく見るんですよ。他のYouTuberのコメントも見て、人気のYouTuberのコメント欄を見れば世の中の人がどういうものに惹かれるのかっていうことが、すぐわかるんですよね。要は『何分何秒のこの○○がよかった』みたいにコメントされるんで、そこに「いいね」が1,000件ついていたら少なくとも1,000人以上の人がそこのシーンに惹かれたという証拠なので、そういうシーンを差し込んでいこう、ストーリーとして見せていこう、と学んでいる感じですね。コメント欄に結構YouTubeの答えがあるのかなと思います。

稲葉 :他のYouTuberの方の動画なんかも見られるってことですか?

ヒカル :全然興味はないんですけど。僕、今、30歳なんですけど、僕より年上の人ってYouTube世代じゃないと思うんですよ。「YouTubeなんて全然面白くないじゃん」と見てない人も多いと思うんですけど、僕もそうなんですよ。YouTuberなんですけどYouTube好きじゃないんですよ、実際。

稲葉 :そうなんですね(笑)。

ヒカル :そうなんですよ。だから本当は全然見なくて、ただたまたまYouTubeっていう職業についちゃったから仕方なく見るしかないんですが、僕が好きなのはやはりテレビです。テレビっ子で育ったのでテレビの方が実際面白いなって思うんですけど、やっぱり仕事する中で時間がなくなってテレビを見る時間が減ったので今はもう離れているんですけどYouTubeは研究として見ているという感じです。本当に好きで見ているYouTubeはあまりないですね。

稲葉 :ちなみにYouTube以外でも(ヒカルさんの)ツイキャスなんかも僕も聞かせていただいたんですけど、そこにもどんどんコメントがつくじゃないですか。

ヒカル :はい。

稲葉 :ああしたコメントも、ご自身に吸収していくようなことですかね?

ヒカル :そうですね。YouTubeは僕の中ではたくさんの人が見る場所です。僕にとっては、登録者が450万人ぐらいで再生回数がだいたいアベレージで100万ぐらい取るので100万人ぐらいの人が見るっていう場所なので大衆向けの言葉をYouTubeではできる限り使うようにしていてます。
ツイキャスとかは生放送であんまりたくさんの人が見ない、数万人の人しか見ないところではもっとマニアックなことを話したりだとか、ちょっと過激なことを話すことでSNSを使い分けているという感じですね。

稲葉 :たくさんのユーザー数がそもそもYouTube上にいるっていう前提がありますけれど、より多くの方々に発信する言葉遣いであったり、発信の仕方をしているということですね。

ヒカル :そうですね。だいぶ痛い目見たんで過去に、はい。だからその調子乗りすぎたら痛い目見るっていうのを本当に身をもって体感したんで(笑)。

稲葉 :そうですよね(笑)

ヒカル :はい。

稲葉 :(この話の流れなので)実際、我々も「ヒカルさんっていうYouTuberの方がいらっしゃって、ここでこういう企画したほうがいいと思うんですけど」と広告主の方に提案をするじゃないですか。『ヒカルさんでしょ?炎上したよね?』と言われちゃうこともあるのですよ。

ヒカル :そうなんですよね。なんかそれがもうある種、今じゃ「愛され要素」になってきてるのかなと思うんですけど、過去にすごい炎上して「日本で1番炎上した」って当時言われていたんです。低評価が20万ついたんですよ。登録者数も60万人減って2chのスレッドも当時の日本記録だったということがあって。
今はそれを乗り越えて多少クリーンになってきてはいるんですけど、今でもやっぱり自分がいつか炎上するかもしれないな。と思いながら生きてはいますね。その無意識のうちにやっちゃいけないことをやっているというか、例えば発言ひとつとってもそうなんですけど、誰かや何かを敵に回すような発言をしてるんじゃないかっていう恐れもあるので、絶対これから炎上しないとは思えないんですけど、やっぱり気をつけてますね。めちゃくちゃ。」

稲葉 :そうですね。ありがとうございます。では2つ目の質問です。ヒカルさんは今、ReZARDなど色々なブランドや(登壇時の紹介)VTRの中でもジョイフルさんの事例なんかもありましたけれども「ビジネスで結果を出す」ということ。多分ここにいらっしゃる(マーケターの)皆さんもご自身のビジネスで「どうやったら結果が出るのか」っていうことを日々考えられながらマーケティング活動をやってらっしゃると思うんですけれども、いちビジネスパーソンとしてのヒカルさん。

ヒカル :はい。

稲葉 :結果はなんでついてくるのか、逆に言うと結果が出るケースと結果が出ないケースっていうのも中にはあると思うんですけれども、その違いは何なのか?ヒカルさんのお考えを聞かせてください。

ヒカル :僕はYouTubeを通じてたくさんの企業案件とかをしてきたんですよ。これまで本当にたぶん何百社の案件を受けさせてもらって、その中でもやっぱり結果が出たり出なかったり。その差は明確にあって、結果が出た企業案件は僕が本気でそのサービスをいいと思ったときなんですよね。だからお金目当てで企業案件を受けたときっていうのは本当に効果が出なくて、やっぱ自分の言葉に想いがのらないんですよ。だから企業案件でもちろん数百万とか数千万の金額がYouTuberに対して企業で動くと思うんですけど、お金に魅せられてこの企業案件受けようと思って受けたら、別に自分にとってすごいそれはいいサービスでもないし、大きな企業から大きなお金もらうからやってるだけであって作業なんですよね。
でも本当に自分が好きなサービスとか自分が好きな企業だったら、そこに熱がこもって普段出ないパワーが出るというか、それを動画にしたときっていうのは凄まじく売れますね。ジョイフルとかは僕が学生のころから通ってて社会人になっても通ってた本当に自分が行ってた店なんで、だからやっぱ言葉に魂がのっかったっていうのをたぶんそれを視聴者が感じ取ったんだと思いますね。

稲葉 :ジョイフルさんであれば(ヒカルさんが)学生時代によく通ってたよねっていうお話があったと思うんですけれども、やっぱり初めて見るサービスとか初めて見る商品なんていうのもたくさんあると思うんですよね。

ヒカル :はい。

稲葉 :元々馴染みはなかったけれど、見てみたら「これ良い」というところを見つけ出しながら発信していく。そんなイメージなんですね?

ヒカル :そうですね。あとは「嘘はつかない」っていうのはできる限り心がけていて、大げさに言ったりちょっと話を盛ったりすることってあると思うんですけど、偽らないっていうのがすごい大事だと思っていて、本当に自分がいいと思わなかったら「まずい」って言うようにしてるんですよ。『マズい』ってあんまり言っちゃダメな言葉じゃないですか。グルメレポーターが「マズい」って言わないじゃないですかテレビで。僕そんなわけないと思ってるんですよ。レポーターは何回も何回も(色々な取材先に)行ってて、ひとつぐらいマズいの出会うだろうって。僕は思っちゃうんですよ。だからその言葉で信用を僕はできないんですよね。どうせこの人、全部おいしいって言うんだから本当かどうかわからない。でも、まずいって言う人の言葉だったら信用できるじゃないですか。その人がおいしいって言ったら本当なんだなって。ありのままで言い続けるっていうのをできる限り心がけていますね。その結果なんか炎上しちゃいますね。

稲葉 :結果的に(笑)

ヒカル :結果的にそこで(笑)

入江 :ヒカルさんは特にそうで、絶対嘘は言わないっていう感じなので、やはり企業側からすると「こういうこと言ってほしいな」と僕には来るじゃないですか。でもヒカルさんはそういう性格だって分かっているんで、僕たちは「これはヒカルさんだったらたぶん本当のことしか言わないんで」と言ってはいます。
ジョイフルさんの話なんですけど、社長も毎回、大分から出てきて頂いて試食会やるんですけど、みんな毎回食べるとき緊張してますからね、すごく。「本当に大丈夫かな」と。でもそれぐらい緊張感もってやってるからたぶん結果が出るんじゃないかなと思います。企業側も緊張感もってやっていますね。

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五十嵐 :やっぱりその本音の中に当然、トータルではないんですけれども受け取り方によってはいわゆるネガティブな発言、これはダメだよね。っていうのも当然出てくるってことですよね。たとえ案件だったとしてもってことですよね。

ヒカル :そうですね。案件をよりよくリアルに見せるためにもメリットデメリットっていうのを言ったほうが僕は売れると思ってるんですよね。企業案件ってYouTubeの視聴者からすれば鬱陶しい存在なんですよ。で、しかもほとんどのYouTuberの企業案件出たときってすごい作業っぽい動画になるんですよ。だから再生数伸びないんですよ。で、再生数が伸びないってことは単純に面白くない動画ってことで、企業に作らされてるんだろうな、って思われたらもう負けだと思ってるんです。
なので逆に企業を食いにいってるぐらいの見せ方を僕は心がけているんですよ。ヒカルを起用して企業が逆に困っちゃってるっていうような。企業が乗せられて企業に迷惑かかってるんじゃないのって思わせるくらい無茶苦茶なことをできるだけ言うようにしているんですよね。そうすることで視聴者にこれ企業案件じゃないって思わせる。そうするほうが結果が出ますね。

稲葉 :そう考えると先ほどあの視聴者の方々は「世の中そのものだ」っていうお話があったと思うんですけども、(視聴者という)世の中に対して最終的には商品とかサービスというものが届く過程で企業とヒカルさんとの本気のぶつかり合いみたいなものを、動画の中で発信していく、そんなイメージなんですかね?

ヒカル :そうですね。結構本音で話しますね。もうダメだと思ったら本当に『これはたぶん売れないと思いますよ』って言っちゃいますね。

稲葉 :たぶんここにいらっしゃる(マーケターの)皆さん、動画のクリエイティブを如何にして作るのか、とか、ブランドを如何にして生活者の方々に対して発信していくのか、っていうことを日々研究されていらっしゃるわけです。とはいえ、やはり企業目線のメッセージ、クリエイティブというのは、なかなか生活者側からすると受け入れづらく「宣伝だな」っていう風に思ってしまうことも多いじゃないですか。

ヒカル :そうですね。

稲葉 :そういったときに視聴者目線、生活者目線、世の中目線というか、そういうようなコンテンツをたぶん皆さん作っていきたいと思っていらっしゃるはずなんですけれども、なかなかそこが難しいということもあると思うんですよね。

ヒカル :はい。

稲葉 :視聴者目線のコンテンツ作りとして、毎日毎日アップされるいろんな動画企画があるじゃないですか。
ああいう企画をどういう視点でどんな風に考えられたんですか?というところをちょっとお伺いしたいなと思っております。

ヒカル :僕は日常と非日常のどっちかを出来る限り、出すようにしてて、日常では見ない景色、聞かない話をコンテンツにするっていうパターンと、圧倒的に多くの人に共感されることをするっていうこのどっちかを意識して動画は作っていますね。何かセールスをかけるときっていうのはストーリーを作るようにしてて視聴者が感情移入するストーリーを組み込んで、そのものをそのサービスを買えば面白い未来が見れるっていう風に見せるようにはしたりとかしてますね。

稲葉 :そのストーリー作りは結構難しいじゃないですか。そのときにそのストーリーの組み立て方とか、たぶん無意識の中にやってらっしゃる部分たくさんあるんだろうなって思うんですけども、あえてそれを言葉にしようとすると、どういうこうストーリーの組み立て方を頭の中でやっていらっしゃいますか?

ヒカル :僕、漫画がめっちゃ好きで本当にたくさんの漫画を読んでいるんですけど、だからかわかんないですけど僕は漫画っぽい展開にすごい惹かれちゃうんですよ。ちょっと厨二病みたいな発言になっちゃうかもと思うんですけど、僕の基準はワクワクするかどうかですね、自分が。まず自分がその動画を撮ってるときにまずワクワクしているのかどうか、編集者に投げたときに編集者はこれを見てワクワクするのかどうか、関わってくださっている企業の人もワクワクしているのかどうか、そのワクワク感を動画の中に盛り込むことで視聴者も一緒にそういう感じになっていくんですよね。

稲葉 :その次の展開が気になるとか、ヒカルさんどうなっちゃうんだろう。みたいなそういうような先が見えないワクワク感とかどんどん発展する成長を感じられるようなワクワク感とかそういうのを総称したワクワク感というか

ヒカル :そうですね。それが本当に大事だなと思いますね。さっきも言ったように作業になっちゃったらもう本当に結果は出なくなりますね。

稲葉 :ありがとうございます。次の質問です。
基本タイアップ関係は作業になりがちという話がありましたが、その中でやっぱり『自分がいいと本当に思えるかどうか』というところがあったと思います。その中でも結果を出すために気を付けていることはありますか?

ヒカル :僕は大きな企業とかかわるときに、迷惑をかけたくない。というのがあって、何かあったときには僕に非が来るような動画にしていますね。企業側が巻き込まれてしまっているという見せ方をするようにしています。なので、ロコンドの時もそうでしたが、ロコンドの社長が僕に振り回されているという見え方だと思うのですが、そうすることでYouTuberなんて正直いつどんな問題起こすかわからないから怖いわけじゃないですか。企業からしたらそういう部分が使いにくいのかなと思うので、『YouTuberのヒカルが悪かったよね』で終わらせられるようにしているというのがありますね。
あと僕は、企業の人と話すときに、結果「これがどうなったら企業としては一番嬉しいのか」というのは聞くようにしています。オリエンシートみたいなのは見るのが大嫌いなので、すごく長くチュートリアル的なものが書かれているのですが、そこにはあまり真意はないなと思っていて。結局、僕を起用してどうしたいのかというのをまず聞いて、その結果を聞いてから『それだったら僕はこんなことができますよ』という風に提案していますね。結構そういう部分を教えてくれない場合があって、そういう部分を聞きたいですね。僕を起用していて『何をどう売りたいのか』とか『どういう風にイメージを変えたいのか』を明確に教えてもらった方が、僕はそれをうまくできるという。

稲葉 :逆に企業さん側のほうでゴールを設定さえしてもらえば、その道筋を作るストーリーや動画の表現はもうヒカルさん側でやりますというイメージですかね。

ヒカル :そうですね。動画の内容はクリエイターが考えた方が面白くなるのかなとは思いますね。ただでも、YouTuberのほとんどが企業案件が下手といったらあれですが、そういう人も多いと思います。

稲葉 :そうですね。実際YouTuberのタイアップ案件で効果がなかったという企業さんも、やはり中にはいらっしゃるんですね。今回いろんな業界の方がいらっしゃるのですが、実際YouTubeのタイアップ案件で合わないジャンルはどのようなものがあると思いますか?

ヒカル :(YouTuberの)人によると思っていて、たとえば出会い系サイトの案件はあまり健全ではないのでほとんどのYouTuberは好まないのですが、それを得意とするYouTuberも実際いるわけで。
例えばパチンコ案件を得意とする人もいますし、自分の会社にマッチした人(YouTuber)を見つけるというのがすごく大事だと思います。あとはやはり熱量ですかね。なんとなくお金を受け取ってるからやっているという人に任せると、爆発的な効果は出ないと思います。
僕のイメージはネットの中はダイヤモンドが転がっているというイメージで。わかりやすくテレビの世界・芸能の世界はこの人はすごい。とかってみんな知っているじゃないですか。『売れている人』って。ネットで売れている人って、今から100人あげろと言われて100人あげられる人って僕はほぼいないと思うんですよ。TikTokで売れている、Instagramで売れている、Twitterで売れている、YouTubeで売れている、って全部把握している人はいないと思っていて、転がっているんですよね。まだ見つかっていないダイヤモンドの原石みたいなのが。それをいち早く見つけて、例えばすごく安くてとてつもない広告効果が出ると思っていて、そうしたYouTuberってとてつもなく安いんですよ。特に伸び始めているYouTuberは、単価も低くて、彼らは素人からスタートしているので、大企業から声がかかることは嬉しいんですよね。やっぱり。例えば100万回再生とっている人でも、こんな大企業から声かかったら安くてもやるよ。という人が山ほどいるんですよ。だから僕は(タイアップで結果を出すなら)そういう人が狙い目かなと思いますね。

稲葉 :先ほどのビジネスでいかに結果を出していくのかというところに若干つながるのですが、こうやって若いYouTuberの方もこれからのYouTuberの方々も含めて、だんだんYouTubeの中の企業タイアップの動画の存在感、まだまだ今後増えていくという内容になりますよね。

ヒカル :そうですね。まだまだ増えていくと思いますね。YouTuberは使いこなせばすごい武器になると思います。

稲葉 :そういったときに、ヒカルさんのようにビジネスパーソンとして、事業主としていろんなご自身のビジネスをやっていらっしゃいます。そのご自身のビジネスの状況によってはここにいる皆さんの、どこかの企業さんは競合関係になってしまう可能性もあるじゃないですか。
ヒカルさんのような存在とどう手を組んでいくのか。そこは競争でやっていくのか、など企業さん側の判断になってくるかなとは思うのですが、ヒカルさん的にもいろんな企業の皆さんがいる中で新しいビジネスに挑戦していきたいなどはありますか?純粋にただこれを宣伝してくださいっていう話だけではなくて。

ヒカル :いいものはやっぱり伝えたいというか。僕、本当に美味しいものはそれを美味しいと伝えたいタイプなので、好きな漫画も全部伝えたいタイプなんですよ。本当にいいと思ったものはお金もらわなくても普通に宣伝するので、そこは気持ちが乗っかったらっていうのが強いかもしれないですね。ReZARDっていうアパレルブランドやってますけど、GUとかユニクロが好きなので本当にいいって言っちゃいますね。

稲葉 :そう意味で言うと、ご自身のビジネス云々に限らず本当にそれがいいと思っていればそれはそれで全然ありだと。

ヒカル :そうですね。競合という風には思っていないですね。

稲葉 :自然に言っちゃうというお話があったと思うのですが、たぶんこの皆さんの中にもいらっしゃると思うのですが、たまたま自分の会社のブランドをお金は払っていなくても宣伝してくれているYouTuberさんが時々いらっしゃったりするじゃないですか。その時、売り上げがすごく上がったという話を聞きます。それは恐らくYouTuberの方、ご自身が本当にそう思っているからこそ、その思いが伝わっているからだと思うのです。ただ、企業側からするとそれだけで終わってしまうのも機会損失なので、そうなったときに、もし仮に『もっと大きくしたいんです。ここはこんなイメージなんです。』とヒカルさんに相談があった場合どのようなストーリーの展開の仕方がありうるものなのでしょうか。

ヒカル :何を売るかによると思うのですが、僕は自分にできることがなんとなくわかるので、無茶なことはしないですし、現実的に自分の影響力をある程度把握しているので、このサービスを紹介したときに大体どのくらい売り上げが上がるのかというのがなんとなくわかるんです。動画を撮ったときに、さらにそれを明確にほぼ数値化できる。だからセールスの動画1本とったときに『あ、これは1億売れる。5億狙える可能性があるな』というのがわかるので企業が求めている規模感に応じて、できることを考えている感じです。

五十嵐 :ロコンドさん(とのタイアップ)の時、まさにそんな感じだったんですか?

ヒカル :そうですね。ロコンドさんの時は、ある程度はいくと思ったのですが、あそこまでいくとは思っていなかったです。正直に言うと、僕は靴ってそんなに売れないと思っていたので、靴買う人なんて世の中にいるの?くらいの感覚でした。

五十嵐 :仰ってましたもんね。あの動画でも。

ヒカル :僕本当に靴買わないので、靴買う人なんて世の中にいるんだなというのはあの企画で知りました。

稲葉 :もうそろそろ時間なのですが、ちょっと大きなテーマではありますけれども、ヒカルさんご自身もそうですし、皆さんもそうだと思うのですが、これからの時代、いろいろな変化がある中で、どのように視聴者・生活者と向き合って対峙するべきなのか。ヒカルさんはこう考えているなど、何かそういったものはございますか?

ヒカル :先ほども少し言ったのですが、とにかく偽らないということが僕は大事だと思っていて、今の世の中って偽ったらバレてしまうんですよ、SNS時代なので。本当に少しのことでも漏れてしまう時代だと思っていて、録音を携帯でされてそれ出されたら一発じゃないですか。なので、そういう卑怯なことやっているとすぐにめくれてしまうっていうのがあるので、とにかく偽らないということが僕は大事だと思っています。
そっちのほうが結果僕は長い目で見たときに、信用されて活きていくと思いますね。僕自身が昔、すごい話を盛っていく人間で、嘘が好きなんですよ、めちゃくちゃ(笑)。本当に嘘つくのが好きで息吐くように嘘ついてしまうときあるんですよ。というのが癖であって、昔は本当によくそれで苦しめられましたね。

稲葉 :そのようなご経験があるから、今となっては嘘は・・・(なしということですね?)

ヒカル :そうですね。そっちの方が絶対良いというか、昔は情報を受け取るところが新聞・テレビ・ラジオしかなかったと思うのですが、今はもう若者もお年寄りの人も誰でもネットを使えばどんな情報もとれてしまう時代じゃないですか。なので、情報のスピードが速いと思っていて、下手なことしていたら本当にそれがすぐ広まってしまう時代だと思うんですよ。Twitterとかでリツイートという機能があったりするので、何かあってそれが1万リツイートとかいったらすぐに世の中に伝わって、それが炎上したりとか、何かマイナスなことを生んで。そうならないようにすることがやはり、結果長い目で見たときにいいんじゃないかなと思いますね。

稲葉 :入江さんのほうから最後にメッセージをお願いします。

入江 :ヒカルさん、このような感じで本当のことを少しずつ伝えているのですが、私たちもインフルエンサーさんのたくさんのタイアップでいろんなことをやっているのですが、やはり動画のストーリーもそうですが、本当に好きなものとかやりたいことを、どんどん彼らに仕事を持って行ってあげるということに、僕は結構強い意志があります。
それによって企業さんも勝つし、インフルエンサーとしてもすごくよかったね。となるので特にそのインフルエンサーと有効なマッチアップができればいいなという風に思っています。あと、僕としてはヒカルさんと約束した『1番させる』というのが3年前からあるので、大きな企業さんとどんどんヒカルさんがコラボしたり、どんどんブランディングが上がればいいなという風に思っておりますので、ぜひ何卒宜しくお願い致します。

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ヒカル :そうですね。僕は今回このような機会をいただて単純に楽しいなっていう風に思っているのと、やはりYouTuberというのでいまだに偏見を持たれたりすることもあるのですが、そういう偏見を持たれているからこそ「まだまだ可能性がある」と感じています。僕は全員が認めたときにはもう価値はないと思っているところがあるので、まだまだ未開拓な地だからこそ価値があるのだと思うのでYouTubeをまだ見たことのない方は、ぜひ目を通してもらえたら。
意外にもYouTubeの中にも歴史はあって、言っても浅いのですが、おそらく十何年くらいだとは思いますが、YouTubeの中にドラマがあって、いろんなYouTuberの勢力図みたいなものがあったりとかして、意外に見てみたら面白かったりすると思うので、ぜひYouTubeの世界を楽しんでもらえたらなと思います。

五十嵐 :はい、ありがとうございます。それでは時間になってしまいましたが、皆さんぜひ案件も含めてご相談などあれば、我々にご相談いただければと思いますのでYouTubeの可能性を信じてやってみてください。はい、ではヒカルさん、入江さんどうもありがとうございました。

入江 :ありがとうございました。

ヒカル :ありがとうございました。

稲葉 裕一郎(いなば ゆういちろう)
ライター:稲葉 裕一郎(いなば ゆういちろう)
1978年生まれ。大学卒業後、コンサルティング、IT・ソフトウェア、インターネット関連サービスなどの経験を経て、2011年2月、GMOアドパートナーズ入社。
2012年、GMO NIKKOへ出向、FacebookやTwitterなどのソーシャルメディアを活用したマーケティングコンサルティング業務に従事。
2017年4月、株式会社バレルを設立、代表取締役に就任。
2018年5月、「ブランド」のコミュニケーション設計からブランディング、SNS活用、データ分析までを幅広く網羅するマーケティングエージェンシー、GMOユナイトエックス株式会社の代表取締役に就任。
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