デジタルとリアルで「お客様に寄り添う」をちゃんとやる。ユナイテッドアローズ藤原義昭 #サプライジングパーソン
ソーシャルギフトサービス「GIFTFUL」を運営する株式会社GiftXのいいたかゆうたさんが、マーケターと対談しつつその知見を学び、変化の時代を生き抜くビジネスの本質に迫る連載「サプライジングパーソン」。今回のゲストは、株式会社ユナイテッドアローズ CDOの藤原義昭さんです。
藤原さんは、リユース大手のコメ兵ホールディングスに入社後、ECサイトの立ち上げ、営業戦略、IT、出店開発など幅広い分野で活躍しました。2021年4月にユナイテッドアローズへ入社後は、CDOとしてDXの推進とデジタルマーケティングに携わっています。
飛び道具的な戦略ではなく、顧客体験を豊かにするために当たり前のことをちゃんとやる。この考えを、藤原さんはとても大切にしています。そんな信念で、ユナイテッドアローズでは何に取り組んでいるのか。これまでの軌跡とこれからの展望を聞きました。
(執筆:サトートモロー 進行・編集:いいたかゆうた 撮影:小林一真)
■ ラグジュアリーブランド特有の「物の価値の決まり方」
いいたか:
藤原さんは、前職のコメ兵ではどんな仕事をしていたのでしょうか?
藤原:
僕は1999年に新卒でコメ兵へ入社して、2010年にかけてEC事業の立ち上げなどを担当しました。この10年間で、ジュエリー以外の事業部も含めて、6サイトの立ち上げに関わりました。
2010年頃からは、Web事業のトップとして、より本格的に社内のECに携わるようになりました。この時期から、広告やアフィリエイト、オウンドメディアといったWebマーケティングに関わりだしていきました。
いいたか:
6サイト。ものすごい数ですね。
藤原:
僕はコメ兵時代の約20年間、「物の価値の決まり方」に注目し続けていました。一般的に、物の価値は「需要と供給」で決まりますよね。この考え方において、ラグジュアリーブランドというのは供給をコントロールしつつ、需要を喚起させるのが非常にうまいんです。
コメ兵では、ロレックス、ルイ・ヴィトンとあらゆるブランドを取り扱っています。そのおかげで、各ブランドの物の価値の決め方を、グローバルに見ることができました。
富裕層の消費者はどういうものに反応して、高いものが売れていき、どのようにそのブランドの情報が伝播していくのか。特殊なマーケットの流れを、20年間見続けてきたマーケターという点で、僕はなかなか特殊なキャリアの持ち主だと思います(笑)。
いいたか:
一般的な日用品は、ほとんどが認知を獲得するというところから販売戦略がスタートしますよね。そこで広告などを活用するわけですが、ラグジュアリーブランドはこうしたアプローチの方法が、まったく異なりますね。
藤原:
ラグジュアリーブランドの場合、ブランディング広告以外では広告を出稿しません。最初期の段階は、ブランドの歴史などを軸に消費者へ訴求していきます。今のソーシャルメディアのように、第三者の口コミを創出させることで、消費者に「憧れ」を抱かせて需要を喚起させるんです。
商品が富裕層にいきわたった段階で、今度はセカンドブランドを作り一気にマスへ拡大させます。その後、あるタイミングからセカンドブランドをスパッとやめ、購入できる人をどんどん絞っていくんです。そうやって、需要と供給を厳密にコントロールしているわけです。
いいたか:
ものすごい緩急ですね。
藤原:
ブランドによっては、供給量をうまく調整して、一次流通のみならず二次流通もコントロールするほど徹底しています。現時点で価格が高騰している「手に入らないブランド」は、いずれも物の価値のコントロール力に長けています。
いいたか:
すごく面白い話ですね。特に「富裕層に行き渡ったタイミングでセカンドブランドを販売する」というものですが、具体例を知りたいです。
藤原:
今はもう廃盤になっていると思いますが、エルメスの場合だと、数万円台のGarden Party(ガーデンパーティー)というトートバッグを販売していました。ディオールの場合は、スニーカー好きで有名なデザイナーのキム・ジョーンズが手がけたキーホルダーなどを販売していましたね。
これらで一気に購入者層を広げた後、ユーザーの「取捨選択」を行います。
ブランドへの「憧れ」を生み出すために、クリエイション力が最重要なのは間違いありません。しかし、トップブランドはその裏側で、マーケットコントロールにものすごく頭を使っているということも、覚えておいた方がいいでしょう。
いいたか:
想像以上に、そのブランドにとって低価格帯の商品を扱っていると知り驚きました。一気にマーケットを広げてその後閉じていくことで、多くの消費者の注目を集めるのですね。
藤原:
僕は2021年4月に、ユナイテッドアローズに入社しました。ユナイテッドアローズも、価格帯としては高いブランドに位置します。今の仕事でも、「物を通じてどうお客様とコミュニケーションするか」という観点は、大いに役立っている気がします。
■ 新天地にユナイテッドアローズを選んだ理由
いいたか:
藤原さんは、なぜユナイテッドアローズに転職したのですか?
藤原:
簡単に言うと、二次流通のデジタル領域は、やり尽くした感があったからです。別の世界でチャレンジしたいと思い始めたタイミングで、新型コロナウイルス感染症が拡大しました。
この時期は、小売業界はもちろん世の中全体がひっくり返ったことで、多くの会社で課題が浮き彫りになった気がします。ユナイテッドアローズの場合、その課題は「デジタル」で、僕が長年取り組んでいた領域でした。これが、転職の大きな理由のひとつです。
もうひとつの理由は、自社でものを企画し作り、お客様にお届けする企業に携わりたいと思っていたことです。コメ兵は多くのブランドを取り扱うものの、物づくりには関わりません。ユナイテッドアローズは工場こそ持っていませんが、商品企画からお客様にお届けするまでを、一社で担うことができます。
いいたか:
なぜそう思ったんでしょうか?
藤原:
ブランドづくりができるからです。仕入れた物を売るというビジネスは、ブランドはプロダクトに直結します。プロダクトではなく、サービスでブランドを形成するという発想です。
もちろん、こうしたビジネスも素晴らしいと思います。ただ僕は、プロダクト=物づくりを通じて、ブランド形成に寄与できる会社で挑戦したいと思いました。
ちなみに、ユナイテッドアローズの「知名度」というのも、転職を後押ししました。
コメ兵で苦労したのが、東京での認知度向上でした。2004年にコメ兵が東京へ進出した頃、ブランド認知度は30%台でした。僕が退職する時点で、それを80%近くまで高めることができましたが…。
一番コストと時間がかかるのは、「知らない」から「知っている状態にする」ことです。
僕は当時、出店戦略も担当していました。出店戦略を立てる際は関東のマーケットの市場浸透率を計算しつつ、緻密に計算しながら認知度向上を図ります。その作業がとても大変で、もうあんな苦労はしたくない!ということで、知名度の高い会社を選びました(笑)。
実際、ユナイテッドアローズは認知度だけでなく好意度も非常に高いです。これだけ潤沢なブランドアセットを持つ会社は、そうそうないと思います。
いいたか:
「みんな知ってる×みんな好き」という掛け算を持っているというのは、すごいですね。
藤原:
先人の培ってきたフィロソフィーが、受け継がれてきた証です。
■ 現場への浸透も見据えたデジタル領域の改革
いいたか:
ユナイテッドアローズに入社後、どんなことに取り組んできたのですか?
藤原:
まずはブランドの力を知りたいと思い、お客様への調査を行いました。
ユナイテッドアローズでは僕が入社する以前から、さまざまな顧客調査が行われていました。それでも、内部データとは別に、パネルによるアンケートやデプスインタビューなどをはじめ、次のような調査をしっかり行いました。
・RFM分析
・顧客軸の調査(年間購買数やLTVが高いお客様の傾向)
・プロダクト軸の調査(アイテムごとの組み合わせによるLTVの違い)
・自社の購買データにはない「離反したお客様」へのパネル調査
・カテゴリーエントリーポイント(何かを買おうと思った時、ブランドを想起する入口)
・ユナイテッドアローズのストロングポイント、あるいは捨ててもいいポイントは何か
いいたか:
完全にマーケター的な活動をしていたのですね。
その後、どんな施策をどんな順序で行っていきましたか?
藤原:
まずは、顧客とのコミュニケーション設計にしっかり取り組んでいきました。MAツールの選別や、ECで離脱するお客様を引き留めるための施策立案などです。
例えば、離反予兆の分析で「店舗で購入し続けていたお客様が、ECを3度利用する」という興味深い予測が判明しました。そこで、リアル店舗に戻ってきてもらうために、ポイントなどの経済的インセンティブを提示するといった施策を考えていきました。
こうした細かいチューニングを、2022年3月にローンチしたECサイトでも行っています。ECサイトはローンチ後からが勝負ですから。サイトの細かい課題を抽出していきつつ、何をどう改善すべきか、どこに投資すべきかを考えています。
いいたか:
それにしても、先ほどの離反予兆は非常に面白いデータですね。
藤原:
他にも、「店舗で初回購入がパンツだと、LTVが高くなりやすい」というデータがあります。パンツの購入では、ほぼ必ずフィッティングルームを利用します。単純にTシャツを購入する時よりも、スタッフとのコミュニケーション時間が長くなるからではないかと思っています。
ユナイテッドアローズは、接客が強みですので、それがフィッティングルームでのコミュニケーションで発揮されて、お客様からの好感触を得られるのかなと。
こうしたデータを見ると、リアル店舗は単に売るだけの場所ではなく、お客様との関係をきずく場所であるとつくづく感じています。いかに2回、3回、4回来店していただくかという点で、スタッフの持つ役割はすごく大きいと思うんです。
いいたか:
リアル店舗でのスタッフさんとのやり取りが、大切な「一期一会の出会い」になることもありますよね。
藤原:
DX領域では、現在お客様にメールを通じてアンケート調査を行っています。ここでは店舗スタッフが描いたカスタマージャーニーに対して、タッチポイントごとのグッド・バッドの反応を調べています。
アンケートは週1,000件、年間約5万件ほどの回答が集まっていて、回答と購買データを照合します。その結果、LTVの高いお客様がどのポイントを重視しているのかが明らかになりました。
当初、僕はコロナ禍でマスク着用がスタンダードになったことで、スタッフへの印象が落ちているという仮説を立てました。これは確かに正しかったのですが、それ以上にお客様のLTVを左右していたのが、自分の知らない情報を教えてもらったという体験でした。
結局、データからは「これまで大切にしていた接客を、しっかりやりましょう」という結論が出たわけです。こうして証明された事実は、リアル店舗にもフィードバックしています。ファクトベースでやるべきことが明確になると、店長も店舗指導しやすくなると思うので。
いいたか:
すごいですね。ファッション領域で、ここまでデジタルに取り組んでいる会社さんの事例は初めて聞きました。
藤原:
ユナイテッドアローズの会社規模だからこそ、できる側面もあると思います。膨大なユーザベースを持っていて、社内にデータの専門スタッフもいます。
いいたか:
とはいえ、入社前と入社後で想像とのギャップはあったのではないでしょうか。
藤原:
そうですね。ユナイテッドアローズは積極的なIT投資をしてきましたが、それが統合的にまとまった形ではありませんでした。起業1年目の会社なら、ゼロから作ることもできるでしょう。ユナイテッドアローズのように、数十年のシステムが積み上げられた会社は、相当のエネルギーが必要です。
現在進行形で、積年のこんがらがってしまったスパゲッティを解きほぐし続けています(笑)。それでも、最近は徐々に解きほぐされてきた感じがします。
DXについては、入社当初は「何が分からないかが分からない」状態だった気がします。最近はその必要性を理解してくださる方も増えてきましたが…。
「今のままでも困っていません」
「今までやってきたことと違います」
「私は聞いていません」
僕はこれらの言葉を、「DXを阻害する三大病」と呼んでいます(笑)。
藤原:
ここは僕の責任でもありますが、今後もDXの必要性を伝え続けないといけませんね。
いいたか:
こうしたDXへの抵抗感に対して、丁寧にボトムアップで合意形成するか、トップダウンで一気に進めるかは、難しい判断ですよね。
藤原:
社員が約4,000人いますから、一筋縄ではいきませんね。
いいたか:
DXを進める過程で、リアル店舗のオペレーションフローも変わるという点も、見逃せないポイントだと思います。
藤原:
おっしゃる通りです。ITの導入後は、大きくふたつの課題と向き合うことになります。「アップデート」と「現場オペレーションへの対応」です。
正直、僕はITにおけるソリューションなんて、なんでもいいとすら思っているんです。導入後のアップデートやオペレーションといった工程を、ちゃんと検討できているかどうかの方が、よほど重要だと思います。
いいたか:
いろいろとツールを導入したはいいものの、現場は変わっていないというケースは聞きますね。現場との調整も、注意を払う必要があると思います。
藤原:
その点でいくと、あえて調整せずに進めることも重要だと思います。IT投資は3年先・5年先を見据えて行わないといけません。一歩目が早く踏み出せないと、5年先の完成が6年先になりかねませんから。
■ 奇をてらわない。チャンスを見逃さない。
いいたか:
藤原さんは昨年10月、ユナイテッドアローズでSNSに特化した専門部署を立ち上げたじゃないですか。その背景についても教えてください。
藤原:
どのアパレル会社も、今はSNS、とりわけInstagramに注力しています。僕たちは、InstagramとTwitterを柱にしています。特性上、Twitterの方が拡散力は強いです。
しかし、過去のユナイテッドアローズはもちろん、アパレル各社もTwitterには力を入れていません。僕はこの状況をチャンスだと思いました。
現在は、外部から専門人材を招聘して、スピード感を持って取り組んでいます。同時に、社内でファッション業界ならではのトンマナをしっかりチェックし、スピード感とのバランスを調整しています。長期的な視点で、ブランドが崩れるようなアクションは避けたいですからね。
専門部署は昨年10月に立ち上げましたが、僕が入社したタイミングからTwitterには力を入れていました。その結果、フォロワーは圧倒的にInstagramの方が多いものの、SNSではTwitterがもっとも収益を上げています。次点にUGC、そしてInstagramと続く感じです。
いいたか:
Instagramのフォロワー層は「顧客」なのでしょうね。カタログギフトを見る感覚で、投稿を見て楽しむ一方で、自身の購入サイクルはある程度決まっているというか。
藤原:
ユナイテッドアローズは膨大なユーザベースを持っていると話しましたが、それは「離反顧客も膨大にいる」というのと同義です。離反顧客の全員が、ユナイテッドアローズが嫌いになったから買わなくなったわけではありません。そういう層に情報を届ける上で、Twitterは高い効果を発揮しています。
いいたか:
SNSでの施策にも関連しますが、藤原さんはプロモーションで気を付けていることはありますか?
藤原:
大前提にあるのは、ブランドのトンマナを守ることでしょうか。それ以外で大切にしているのは、ちゃんとプロモーションのパフォーマンスをチェックすることです。
それと、僕はあまり奇をてらった施策には踏み込まないようにしています。ベーシックな施策で、できていないことにしっかり取り組むことを大切にしています。「徹底的にやったか」「中途半端になっていないか」を、常に自問自答することが大切です。メンバーにも同じ話をしますし、施策後の振り返りをとても大切にしています。
いいたか:
奇をてらった施策は、「やっている感」を得られやすいですからね。それがうまくいったからといって、内容を少し変えて2回目に同じ施策を実行しても、まったく成果が出なかったというのはよくある話だと思います。
藤原:
あと、「チャンスを見逃さない」ことも大切だと思っています。
例えば昨年、ユナイテッドアローズ系列ブランドのビューティ&ユースが、ガンバ大阪さんのユニフォームをデザインさせていただきました。
従来であれば、「ユニフォーム作ってください」「はい分かりました」で終わった企画です。それでも、プロモーションのチームと連携し、ガンバ大阪さんのSNS担当者さんともミーティングを重ねて、UGCを出すための企画を考えていきました。
実際にKPIも設定しつつ、UGC数などのデータも取りましたが、結果は大成功でした。
多くのUGCが生まれましたが、何よりよかったのはガンバ大阪のサポーターの皆さんから、「今回のユニフォームすごくかっこいい!」という声をたくさんいただいたことです。
ファッションの真髄は、今あるものをよりかっこよくすることにあります。今回の事例は、まさにユナイテッドアローズのケイパビリティを活かし、ソーシャルメディアを介して多くの人にリーチできた結果だと思います。
いいたか:
ユニフォームをデザインしただけでは、ここまでの反響は生まれなかったと思います。両社が協力し合って、SNSを活用してはじめて生まれた、素晴らしい事例だと思います。他のブランドも、これから真似していきそうですね。
藤原:
昨年末はeスポーツでもグッズをプロデュースしましたが、それも大盛況でした。ファッションのプレイヤーは、もっと他の領域に参入して、世の中をかっこよくしていくべきです。これは、もはやアパレル企業のミッションである気さえします。
■ リーディングカンパニーとしての責任を果たす
いいたか:
藤原さんは一貫して、お客様の体験を重要視してコミュニケーション設計されているのだと感じる話ばかりでした。デジタルであれリアルであれ、顧客体験の向上に取り組む企業は多いものの、成功事例は非常に少ない印象を持っています。
藤原さんは、顧客体験向上の秘訣はどこにあると思いますか?
藤原:
先ほどと同じ回答になってしまいますが、僕は奇をてらったことに走るのは好きではありません。
例えば、ECサイトにおける究極の機能は、なんだかんだ「表示速度が早い」だと思うんです。Googleが今なぜチャンピオンなのかというと、やはり「早いから」なんですよね。
「正しい商品在庫がECで確認できる」という、当たり前の状態が形成できているのも大事なポイントですよね。僕たちも、少しずつ問題を解決してはいますが、部署をまたがる問題も多いので、今も悪戦苦闘しています。
ただ、そういう面倒な課題にはお客様のペインも隠れています。細かなマーケティング施策よりも、お客様のイライラをどう解消すべきかを、ちゃんと考えることが大切です。
いいたか:
今の話は、EC以外でもすごく大切な視点だと思います。手法論や集客論に目が行きがちだけれど、内部がガタガタになっていないかと、今一度考えていきたいですね。最後になりますが、藤原さんは今後どんなことに取り組んでいきたいですか?
藤原:
将来像として、リアルとオンラインをシームレスにつなげていきたいです。まだまだ、お客様のペインポイントはたくさんあるので、積極的に改善していきたいですね。
例えば、当社のECサイトでは店舗での試着予約ができます。予約されたお客様が来店して、10秒後に商品を持ってこれるのか3分かかってしまうのかだと、前者の方が絶対によい体験を提供できるはずです。
こうした時間短縮を、どうやってデジタルで実現するかが大切だと思っています。これが実現できれば、スタッフがお客様とコミュニケーションする時間をもっと増やせるので。
「暖簾」でお客様は集まりますが、最終的に購入するのは「個人(スタッフ)から」です。会社のファンづくりと同時並行で、SNSやリアルを介したスタッフのファンづくりにも、チャレンジしていきたいと考えています。
国内アパレルの市場規模は、過去12兆円あったものがここ数年は9兆円台に落ち着き、コロナ禍で7兆5千億まで低下しました。その後徐々に回復基調にはあるものの、急激な伸びは見せていません。アパレル業界でもデジタル化が騒がれているものの、アパレル業界はサプライチェーンが分散化していて、遅々として進んでいないのが現状です。
そうした業界内で、当社はリーディングカンパニーでもあります。僕たちがデジタル化に失敗したら、他社もできないと思っているんです。だからこそ、ユナイテッドアローズはアパレル業界における、デジタル化のお手本にならなければならないという使命感を持って、DXに取り組みたいと思っています。
- ライター:飯髙悠太(いいたかゆうた)
- 株式会社GiftX Co-Founder
@yutaiitaka
2022年7月に「ひとの温かみを宿した進化を。」をテーマに株式会社GiftX共同創業。
自著は「僕らはSNSでモノを買う」、「BtoBマーケティングの基礎知識」、「アスリートのためのソーシャルメディア活用術」。