「ブランドセーフティ」とは?~重要性とJICDAQ~
来月、デジタル広告品質認証機構(JICDAQ)というものが設立されるそうです。
しかも設立するのはあの有名な3団体。
一つは弊社も所属する日本インタラクティブ広告協会、そして残りは日本アドバタイザーズ協会と日本広告業協会です。
更に、取り組み内容の一つが「広告掲載先品質に伴うブランドセーフティの確保」の品質認証ということを聞けば、皆さんも気になりますよね。承認欲求ならぬ認証欲求が今からあふれ出そうです。
よって今回は「ブランドセーフティ」の意味や重要性まで確認していきたいと思います。
【目次】
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1.「ブランドセーフティ」とは?
2.なぜ「ブランドセーフティ」は必要?
3.海外では?国内では?
4.「ブランドセーフティ」を実現するには?
5.JICDAQの認証を取得するには?
6.「ブランドセーフティ」とJICDAQ
1.「ブランドセーフティ」とは?
はじめに「ブランドセーフティ」とは何なのかということをみていきます。そのまま考えると「ブランド」の「セーフティ」なので、ブランドが安全とか、ブランドが無事などととらえることが出来そうですよね。
ちなみに、JIAA、JAAではそれぞれ以下の通り、定義しているようです。
■日本インタラクティブ広告協会(JIAA)
ブランドセーフティ:広告掲載先の品質確保による広告主ブランドの安全性
■日本アドバタイザーズ協会(JAA)
ブランドセーフティ:ブランドを毀損する不適切なページやコンテンツに広告が表示されるリスクから、安全性を確保する取り組みのこと。
どちらも広告の掲載面に対する視点で定義されているようです。
実際の意味合いとしてはそれを含めて大きく3つあると思っています。
①広告主様にとっての、広告掲載面(メディアやページ)が安全かの視点
②広告掲載メディアにとっての、掲載広告内容が安全かの視点
③広告主様にとって、同一ユーザーへ広告表示回数は適切かの視点
2.なぜ「ブランドセーフティ」は必要?
それでは続いて先程の3つの視点を「ブランドセーフティ」が必要な理由と一緒に考えてみます。
①広告主様にとっての、広告掲載面(メディアやページ)が安全かの視点
→広告主様のブランド毀損につながる可能性がある
自社の商品やサービスを世の中に知ってもらい、購入(利用)してもらう為に広告を出しているのに、
「えっ、そんな印象が悪くなるようなメディアやページに載せちゃったの?」という状況だと、
広告を見たユーザーは、本当の商品やサービスの内容とは違った悪い印象を持ってしまいそうです。
悪い印象を与える=使いたいと思われない、
となると、いったい何のための広告なのでしょうか。
これは絶対回避しないといけませんね。
②広告掲載メディアにとっての、掲載広告内容が安全かの視点
→メディアのブランド毀損につながる可能性がある
「広告枠つくって載せたら、ユーザーからの信用を失ってしまった!?」という状況だと本末転倒ですよね。
世の中の役に立つ情報発信などを維持する為に、広告でマネタイズしている。
ところが、反対にその広告のせいで、メディアがユーザーから誤解され悪い印象を持たれる。
本来役立つ情報でも、ユーザーからの信頼がなくなりメディアを見る人が減っていく。
これは悲しいですね。せっかくの良い情報メディアを運営していても、閉じてしまいたくなりそうですよね。
これも回避しないといけません。
③広告主様にとって、同一ユーザーへ広告表示回数は適切かの視点
→普通、もしくは好ましいと思われていた人から嫌われる(=ブランド毀損につながる)可能性がある
しつこい男は嫌われるっとはいったものです。
広告も表示される頻度が高いと、しつこい、うざい、嫌いとなっていきますよね。
つまり、興味もってくれていたユーザーに対して、お金払ってしつこいアタックして嫌われる、という最悪のパターンが完成してしまいます。
それは回避しないとまずい、ということです。
3.海外では?国内では?
では実際にどういうことが起きているのでしょうか?
「ブランドセーフティ」やその上位概念となる「アドベリフィケーション」は海外が発端になります。
よって、まずは海外の様子をみていきたいと思います。
アドベリの歴史を語るうえでも有名な、P&Gのブランド責任者によるカンファレンスでのスピーチや、イギリスでのYouTubeへの出稿停止についてご紹介します。
・P&G
2017年1月
世界的なインタラクティブ広告業界団体IABのカンファレンスで、P&Gの最高ブランド責任者マーク・プリチャードさんがスピーチで「広告価値毀損」に関する呼びかけを実施。
具体的には「広告主はインターネット広告の不正問題について認知し、それを正していくことに意識を払うことが大切だ」と話した。
そして、これがきっかけとなり、アドフラウドやブランドセーフティなどのアドベリフィケーションが世界の広告業界に広く認知・意識されるようになったようです。
・イギリスでYoutube出稿停止
2017年3月
世界的な広告会社アバスが「ブランド毀損リスクの高さ」を理由に、イギリスでGoogleやYouTubeへの広告出稿を全面的に停止。
発端は、新聞紙タイムズが、「YouTubeで公開中の過激主義者の動画に、大手企業の広告が配信」と報じたことにあったようです。
それでは、次に日本での対策事例をみてみます。
資生堂、ネスレなどが積極的に取り組みをされているようです。
・資生堂
確実に安全なサイトにしか出稿しないと明言。
2018年から、ブランドセーフティツールやホワイトリストの活用を全社的に開始し、デジタル広告の出稿先サイトの安全性を各種数値から判断してサイトの整理を実施されているようです。
・ネスレ
2016年からネスレのスイス本社で、デジタルにおけるブランドセーフティーや、デジタルメディアの質についてを議論。
同年7月に、「ビューアビリティ」、「アドフラウド」、「ブランドセーフティー」の3項目に関してのガイドラインが完成。
日本でも同年10月頃から取り組みを開始。
広告が見られていたとしても、ブランドにとって良いかどうかを重要視しているようです。
4.「ブランドセーフティ」を実現するには?
ブランドセーフティを実現する為にはどうしたらよいのでしょうか?
現実的には、目視でしっかり見ていくというのは難しいので、やはりツールの活用をするのが一番だと思います。
今回、詳細にはふれませんが、簡単にいくつかツール提供企業をご紹介しておきます。
・運用型広告(DSP、アドネットワークなど)の場合
アドベリフィケーションの世界的なリーダー企業であるIAS
国内企業ではMomentum
などが有名ですね。
・アフィリエイト広告の場合
実は弊社GMONIKKOがオンリーワン(※注1)のサービスを御提供しております。
アフィリエイト広告でのブランドセーフティなら弊社一択(※注2)です!
(※注1:自社調べ。特許取得×広告代理店のワンタグツールにおける広告配信連動のブランドセーフティ機能は、弊社のみという点でオンリーワンとなります)
(※注2:企業様の状況や条件などによってベストな選択は異なります。)
5.JICDAQの認証を取得するには?
デジタル広告品質認証機構(JICDAQ)に「広告掲載先品質に伴うブランドセーフティの確保」の品質を認証してもらう為には、次の2つのどちらかを選択するのが近道だと思います。
(しっかりとJICDAQから品質認証してもらいたい場合は、直接、機構に問合せ・御相談ください)
・ブランドセーフティ機能があるツールを提供しているベンダーに相談し導入する、または導入している配信サービスのみ利用する。
(社内のブランドセーフティに対する方針決め、ツールやサービスの比較選定、広告運用・管理といったことを行うとよさそうです)
・常に目視確認できる範囲にしか広告掲載をしない。
(見事なディフェンス!と言いたいところですが、競合にどんどんおいていかれそうですね。。。)
6.「ブランドセーフティ」とJICDAQ
今回は、
・「ブランドセーフティ」とは?
・なぜ「ブランドセーフティ」は必要?
・海外では?国内では?
・「ブランドセーフティ」を実現するには?
・JICDAQの認証を取得するには?
という内容をご紹介いたしました。
これらをふまえ、国内の広告に関する重要な3団体が協力し新たにJICDAQをつくる意味を改めて考えてみると、ブランドセーフティが今後のマーケティング活動においてますます重要になってくるだろうと予測できます。
よって、ベンダーのツールを活用し、JICDAQから認証を受けるなどをゴールとし、ぜひ皆さんも貴社のブランドセーフティを目指していただければと思います。
弊社でも引き続き、皆さまのお役にたてるようなサービス・ツールを構築していけるように邁進していきたいと思います。
弊社ツールにご興味あるかたは、こちらをご覧くださいませ。
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【参考ページなど】
■JICDAQに関する記載ページ
・日本インタラクティブ広告協会(JIAA)
・日本アドバタイザーズ協会(JAA)
・日本広告業協会(JAAA)
■「ブランドセーフティ」についての記載ページ
・日本インタラクティブ広告協会(JIAA)
・日本アドバタイザーズ協会(JAA)
- ライター:叶井 裕之(かない ひろゆき)
- 2014年にGMOインターネットグループへ。アフィリエイト広告のセールス・コンサル、アライアンス等を経て、現在は、事業・業務改善などの企画・構築、DX人材育成関連の企画・構築、slack社内活用推進などに励む。2022年G検定取得。