アドベリフィケーション ~マーケティングのニューノーマル~
最近、世間の注目を集めているものの一つに、巨大プラットフォーマーに対するオーストラリアでの動向があると思います。法案可決によりグーグルは歩み寄りましたが、フェイスブックはこのあとどうするのかが見物です。
そんな中、日本では2/17に公正取引委員会から「デジタル・プラットフォーマーの取引慣行等に関する実態調査報告書」が公開されました。その中の論点にもなっていますが、独占禁止法(つまり公正な取引)、個人情報保護、アドベリフィケーション(アドフラウド、ビューアビリティ、ブランドセーフティ)などが、今後ますます重要になってきそうです。
よって今回は、その中から「アドベリフィケーション」についてみていきたいと思います。
【目次】
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1.アドベリフィケーションとは?
2.アドベリフィケーションの背景
3.アドフラウド対策
4.ビューアビリティ対策
5.ブランドセーフティ対策
6.アドベリフィケーションに対する動き
7.マーケティングに関わる方へ
1.アドベリフィケーションとは?
アドベリフィケーションは、アド(ad)+ベリフィケーション(verification)です。
そのまま訳すと 広告(ad)検証(verification)になります。
「ベリフィケーション」の意味を調べたところ、以下のような記載がありました。
確かめること、(正しいということの)確認、立証、検証、証明
これらより、アドベリフィケーションとは、
広告を検証すること、広告が正しいかどうかを確認しましょう。
つまり、広告価値が毀損されないように確認して、広告を適切な形で配信(掲載)しましょう
ということになりそうです。
2.アドベリフィケーションの背景
ところで、なぜ最近アドベリフィケーションが注目されるようになったのでしょうか?
個人的には、2017年くらいに何かで聞いたのがはじめだったような気がします。
改めて考えてみても、日本では2017~2018年頃から注目されはじめたように思えます。
それより以前には、一般的に、そこまで気にされていなかったアドベリフィケーション。
生まれた背景は、ネット広告の歴史をみるとわかります。
簡単にまとめると、アドテクの発展により、容易に多くのメディアへ広告が掲載できるようになった反面、
広告の掲載先や、広告の計測に対する管理がしずらくなったことが原因だと考えられます。
尚、アドベリフィケーションには、具体的に以下の3つの対策があります。
アドフラウド
ビューアビリティ
ブランドセーフティ
内容をひとつづつ見ていきたいと思います。
3.アドフラウド対策
人ではなく、機械(botなど)による不正閲覧・クリックなどによる広告費発生などへの対策のことです。
誰も見てない広告に対して、費用が発生するような状況は、あってはいけないですよね。
4.ビューアビリティ対策
視認可能性、つまり、広告がしっかり表示されているかを確認することです。
広告の一部しか見られていない状態では、内容が伝わらないので、伝わる状態にしていく、
そして伝わらない状態の場合は、費用が発生しない仕組みにしましょうという対策になります。
5.ブランドセーフティ対策
ブランド毀損防止のことです。
広告掲載ページが、公序良俗に反するなど広告主様にとって不適切な内容だった場合、
広告主様のブランド自体が毀損されてしまう可能性があります。
そういったことがないように、しっかり安全安心なメディアへ広告が掲載されるように確認できるようにしていく対策となります。
6.アドベリフィケーションに対する動き
最後に、アドベリフィケーションが重要になるにつれて、世の中はどのように対応していっているのかを少しみていきます。
こちらは広告業界としての例です。
・JICDAQ
2021年3月
国内の広告3団体が新たに設立予定の「デジタル広告の品質を第三者認証する機構」のことです。
デジタル広告の品質課題のうち、まずは「アドフラウドを含む無効配信の除外」と「広告掲載先品質に伴うブランドセーフティの確保」の品質認証に取り組む予定のようです。
㈱電通やツールベンダー企業の取り組みです。
・アドベリフィケーション推進協議会
2017年10月
アドベリフィケーションの取り組みを本格化するために、
㈱電通が旗振りをし、アドベリベンダーであるIAS、㈱Momentumなどと一緒に発足されています。
弊社連結企業での取り組み例です。
・GMOアドパートナーズ㈱での「インターネット広告ビジネス品質向上指針」
2018年3月
弊社連結企業では、広告の品質が保たれるように指針を設け、運営委員会も設置し、
インターネット広告事業の健全な発展に寄与するよう努めております。
このように広告業界から各広告会社まで、アドベリフィケーションへの対策を講じています。
7.マーケティングに関わる方へ
今回は、
・アドベリフィケーションとは?
・アドベリフィケーションの背景
・アドフラウド対策
・ビューアビリティ対策
・ブランドセーフティ対策
・アドベリフィケーションに対する動き
という内容をご紹介いたしました。
現在は、残念ながら一部まともにデジタル広告が提供されているとはいえない状況になっており、その課題に対応出来るように、いろいろと環境整備がされています。そして今までは、広告主様、広告取扱企業などの中で、広告健全化への意識が高い企業のみが、アドベリフィケーションを実施してまいりました。
アドベリフィケーションの内容や背景、環境整備の状況をふまえると、今後は、恐らくアドベリフィケーションがマーケティングにおいて当たり前になってくるような気がします。ぜひ、アドベリフィケーションが今後のデジタルマーケティングにおけるニューノーマルとなるように、一緒に取り組んでいけますと幸いです。
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★参考記事★
・公正取引委員会「デジタル・プラットフォーマーの取引慣行等に関する実態調査報告書」
・電通社のプレスリリース(「アドベリフィケーション推進協議会」発足)
・JIAAのプレスリリース(「JICDAQ」設立)
・GMOAPのインターネット広告ビジネス品質向上指針
その他参照
https://www.cnn.co.jp/tech/35166673.html
https://news.yahoo.co.jp/byline/kazuhirotaira/20210219-00223395/
- ライター:叶井 裕之(かない ひろゆき)
- 2014年にGMOインターネットグループへ。アフィリエイト広告のセールス・コンサル、アライアンス等を経て、現在は、事業・業務改善などの企画・構築、DX人材育成関連の企画・構築、slack社内活用推進などに励む。2022年G検定取得。