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副業/複業を導入するメリット・デメリットとは?

2022.06.24Work Hack
副業/複業を導入するメリット・デメリットとは?

■はじめに

平成30年1月に厚生労働省が作成した「副業・兼業の促進に関するガイドライン」では、副業を希望する労働者は年々増加傾向にあると言及されています。
近年の働き方改革の促進や、リモートワークの普及という流れを受け、副業/複業を導入する企業も徐々に増えつつあります。

・副業/複業がなぜ注目されているのか?
少子高齢化が進み労働人口が減少の一途を辿っている中、企業にとって従業員の定着率を向上させることは急務と言えるでしょう。
採用競争率も上昇している中で、より自分にあった働き方ができる企業を選択することは労働者にとって必然的な選択であり、従業員に寄り添った環境を整備することが企業側に求められています。
副業/複業を導入することで、労働者の多様な価値観を尊重し自律的なキャリア形成を推進することが、働きやすさの提供とエンゲージメントの向上に繋がります。

ただ、導入するには大きなハードルもありますので、企業側/従業員側双方のメリット・デメリットをしっかり把握し検討する必要があります。

■副業/複業の現況

皆様の周りには副業/複業をしている人はどれくらいいますか?
コロナウイルスの流行によりリモートワークが急速に拡大したことを受け、自身の働き方に副業/複業を取り入れる人が増えてきました。

2019年以降、厚生労働省主導による働き方改革関連法が施行されてから、副業/複業をしている人材の増加はより加速しています。

年々労働人口も減少している中、社内で不足しているリソースを社外に求める企業側の対応もあり、まさに副業/複業時代の到来と言えるでしょう。

・副業/複業をしている人はどのくらいいるのか?
株式会社ワークポートが全国のビジネスパーソン539人を対象に実施した、副業経験に関する調査では、副業経験があると答えた割合は32.7%、その内今も継続していると答えた割合は55.1%であり、何らかの副業経験がある人の半数以上が副業を自身のワークスタイルに取り入れているようです。
株式会社ワークポート「副業経験に関する調査」

株式会社ワークポート「副業経験に関する調査」

・副業/複業を導入する企業の割合
2020年に経団連が実施した調査によると、副業/複業を導入する企業の割合は22%とまだまだ決して多い数字とは言えません。業種別に見ると、IT等の情報通信業の約半数近くが認めており、別業種と比較するとかなり高い数字となっています。

■副業/複業を導入するメリット

副業/複業を導入する上での従業員側・企業側、それぞれのメリットとデメリットを見ていきましょう。

・従業員側のメリット
①収入アップ
本業に加えて休日や隙間時間等で別の仕事を行うことで、収入を増やすことが可能です。副業/複業をしている多くの人の主目的と言えるでしょう。

②スキルアップ
本業とは異なる環境で業務を行うことで多様な経験を通してスキルアップが見込めます。全く同じ業務であっても、経験値を増やすことで習熟度を高めることができます。

③起業や転職時の試行が可能
本業での収入があることで、リスクを抑えながら将来の起業や転職を視野に入れたチャレンジができます。

・企業側のメリット
①従業員エンゲージメントの向上
従業員側にとってのメリットが複数あるため、満足度を高めることができ離職率の抑制に繋がります。

②業績の向上
従業員側のメリットであるスキルアップが前提となりますが、従業員のスキルアップにより本業への貢献度が高くなり、結果として業績の向上が見込めます。

③事業機会の創出
副業/複数によって得た情報や人脈により事業拡大につなげることが期待できます。
本業だけでは得られなかった、機会創出は大きなメリットと言えるでしょう。

■副業/複業を導入するデメリット

・従業員側のデメリット
①ワークライフバランスが崩れる
単純に業務量が増えるので、ワークライフバランスを保つことが難しくなり体調を崩す要因にもなり得ます。また、成果報酬型の副業/複業も多いため、「頑張り過ぎ」に繋がるケースもあります。

②確定申告が必要となる
2箇所以上から給与が発生した場合は確定申告が必要となるため、手続きの手間が発生しますし、場合によっては税理士への依頼が必要となるためその分コストもかかります。多くの人は企業が年末調整の手続きをしてくれますが、副業/複業を行うことにより自身で手続きをする必要が出てきます。

・企業側のデメリット
①人材の流出
副業/複業を取り入れる従業員は自己実現の意欲が高い人材と言えます。より良い環境を求め、離職に繋がってしまう可能性は否定できません。従業員に対するケアはこれまで以上に重要となります。

②情報の流出
社内の機密情報が誤って流出してしまう可能性もゼロでは無いでしょう。それに伴って、情報漏洩に対するセキュリティ・ガバナンス強化に掛かるコストの増加もデメリットと言えます。

③生産性の低下
業務量が増えることで本業の生産性低下に繋がってしまう可能性もあるでしょう。生産性を担保するためにも、従業員の業務把握は必要不可欠です。

■副業/複業を導入する上で必要な企業側の対応

働き方の多様化が進む中で副業/複業を導入する企業は増加する一方です。導入する上でのトラブルを防ぐためにも、企業側で必要な対応を見ていきましょう。

・労働状況の管理
どの従業員が副業/複業を行っているのか把握する必要があります。本業に影響を及ばさないためにも、副業/複業に従事する時間や日数・曜日等、従業員の労働状況の管理は必要不可欠な対応です。それに伴い、申請スキームの準備等の必要も出てきます。

・就業時間の管理
本業と副業/複業を行う時間を正確に把握する必要があります。賃金の計算だけでなく、従業員の健康管理面でも働き過ぎていないか、過重労働防止のために管理体制を構築することも求められます。

・就業規則の変更
これまでの働き方とは異なるため、既存の就業規則を見直す必要があります。副業/複業に従事する際の申請義務や、情報漏洩等企業側のリスク回避の為の条項を設ける必要もあります。また、場合によっては競合業務への従事を禁止する必要も出てくるでしょう。

・生産性の把握
本業に影響を及ぼさないためにも、副業/複業を行っている従業員の生産性の把握は必須となります。生産性が低下することで企業の成長を足止めすることに繋がりますし、残業が増えることで販管費を圧迫してしまいます。計画通りに業務を遂行できているのか、これまで以上にマネジメントに求められることは増えるでしょう。

■組織マネジメントツールの導入

弊社では組織マネジメントツールワークレビューDXを社内利用、社外への提供を行っております。従業員の業務データや感情データを可視化することで組織を多角的に分析することができます。上述した労働状況の把握・就業時間の管理・生産性の把握などの、企業側で必要な対応をカバーすることができるツールとなっております。

■最後に

副業/複業を導入する流れは今後も続いていくものと思われます。メリット・デメリットと必要な対応を把握した上で検討することが重要です。従業員も企業も、よりよいキャリア形成や組織づくりのために副業/複業の導入検討をするわけなので、両者にとってマイナスが生じないようにしたいですよね。弊社ワークレビューDXを活用した組織マネジメントにご興味がございましたら、お気軽にお問合せ下さい。

樺山 隼也(かばやま じゅんや)
ライター:樺山 隼也(かばやま じゅんや)
2021年GMO NIKKO中途入社。
SaaS事業部にて業務可視化クラウドサービス「ワークレビューDX」を用いた、組織マネジメントにおける課題解決に従事。
インサイドセールス・フィールドセールス・カスタマーサクセス担当。
ワークレビューDXの拡販と、市場の認知度を上げるため、日々奮闘中。
神奈川県横浜市出身/趣味:釣り/マイホーム計画中
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